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オーブンに入れている間にクリームを完成させる。
ここでやはり有能冷蔵庫くん。
素早く冷やしてくれて、カスタードが完成。
そしてパイ生地が焼けた。
お皿に生地を置くだけでオスマンはワクワクしている。
「ここからクリームと林檎を乗せていきます」
ビニール手袋をつけて素熱をとったパイ生地にカスタードクリームを流し込む。そんで上に切った林檎を並べたら…
「はい、アップルパイの完成です」
魔法で紅茶の支度もささっと行えば、準備も完了。
os「ふふ、まるでお茶会やな〜」
幸せそうに顔を綻ばせる彼。
そういえば主人格にもシャルロットを作る約束していたな、と思い出す。結局チーノ襲撃事件があったせいで会えてないし、何より悪役らしい去り方をしてしまっていたのだからまだ会うことは難しそう。
os「Aさん?どうかした?」
「え、いや何でも、ないです」
心配してくれたのはありがたいが、距離が近くて反応がたじたじになる。顔整ってるから余計に緊張してしまうんだ。
「あ」
今さら気づいたがこっちの人格だと目はぱっちり開いているのか。深さと静けさの中に仄かな暖かさを持つ緑色の瞳。
ゾムの体質とはまた違う、自然と吸い込まれるような魅力がある。
os「ジーっ」
「ふ、すみません。食べましょうか」
os「うん。それじゃ、」
2人で声を合わせていただきます。
オスマンがこの文化を知っていることは意外だったが、ヒトランルートのライバルポジにもなるんだ。まぁ知ってておかしくは無い。
すきやきの時にも多分してたのだろうが、ヒトランとの卵論争の記憶が強すぎて気付けていなかった。
os「んん〜!今まで食べたパイの中でダントツに美味しいめう〜!」
頰に手を添えながらオスマンは幸せそうな顔をする。
お気に召してもらえたようだ。
os「Aさん、今かけた粉は?」
「あぁ、シナモンパウダーです。…一口いりますか?」
目を光らせたからつい提案してしまう。
一口サイズに切って、フォークで運ぶ。
「はい、あーん」
os「あーんっ。……ん！シナモンあるか無いかでこんなに違うんやな…!」
「美味しいですか?」
os「うん!そうだ、俺も一口あげるめう〜」
あーんして〜とオスマンに言われる。
(…え、俺も?)
「……あ、あーん…」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月9日 16時
