恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅲ【男主】 (ページ39)

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JKみたいだがこれでも守るために生まれた存在…。
もしかして、オスマンの主人格は精神的に疲弊していたのでは。
それはまずい。まだ精神崩壊しないでほしい。

「オスマン様、今からお菓子を作ろうと思ってて。よければ一緒にいかがですか?」

疲れた時こそ糖分摂取。少し前にお菓子作る約束もしてたし、なんなら甘いもの食べて主人格に戻るかもしれない。

os「ほんまに？ゾムに分けてもらったクッキーもすっごい美味しかったから、Aさんのお菓子楽しみめう〜！」
「ええ。では一緒に家庭科室へ行きましょうか」

誰もいない廊下をオスマンと歩く。

(そういえばクッキーってフラワーフェスの2日目だったよな…)

となるとひとつ可能性が出てくる。

「そういえば、パフォーマンスバトルはオスマン様が優勝されたと聞きました。おめでとうございます」
os「あー、、うん。ありがとなぁ。俺、前の番のパフォーマンス見てたら心がワクワクしてきて…。めっちゃ頑張ったんよ〜」

あの華やかな演技披露はコッチか。性格的な部分からもなんか納得。

「じゃあプチお祝いも兼ねて…オスマン様、今頭の中に食べたいと思う果物を浮かべてください。何でも大丈夫ですよ」
os「ん〜…林檎！」
「なら今回はアップルパイにしましょう」

オスマンの表情にキラキラという効果音が見えてくる。…もちろん実際に出てきているわけではないのだが。
それくらいにオスマンは目を宝石のようにキラキラと光らせながら、楽しみにしてくれている。
これは俺も頑張らねば。

ーーー

万能冷蔵庫からパイシート、りんご、卵黄、砂糖、薄力粉、牛乳、バニラエッセンス(ぽいもの)を用意する。
まずは林檎や卵の下準備。切ったらレモン水に沈めとく。

次にカスタードクリームを作る。
小さめの鍋に卵黄と砂糖を入れて、泡だて器で混ぜる。
薄力粉も入れて、牛乳を加えてー

「オスマン様、気になるなら混ぜますか?」
os「ええの?」
「もちろん。飛び散らないように気をつけてくださいね」
os「は〜い」

ウキウキしながらクリームを回すオスマンを時折確認しつつパイ生地を用意。
切って重ねて、卵黄を塗って。
オーブンへシュート。