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一頻りスパイス合戦を眺めていると、マンちゃんは隣に座る俺を見て微笑んだ。
mn「Aさん、気付いてくれてありがとめう〜。分かってたで、気づいてくれるって!」
「終業式の日の発言を思い出したんです。共有が手帳のみであるなら、俺と会う前から交代して表に出ていないとあの発言はできません。それに当時のオスマン様は魔法と気付いてませんからね」
さっすが〜！と腕に抱きつかれる。ここ最近はオスマンとしか会い続けいたせいか、この人格の距離感の近さに動揺してしまう。
(というか…これもう距離ゼロ…)
zm「はぁ〜そっからずっとグルッペンは手のひらで踊ってたと」
md「話術ってスゴい」
mn「ま、あのコーヒー飲みながら夜遅くまで作業してたら?頭の回転も少しは遅くなってたんやない?」
gr「お前…」
事実を述べたまでやで。べっ、と舌を出す智将に会長は今にも魔法陣を出そうとする勢いがあった。
このキャラには煤による思考阻害が無いのかと不安だったが、マンちゃんの作戦に引っかかるあたり、効果は存在していたらしい。
「そういえばマンちゃん様、この事はオスマン様に全く伝えていないのですか?」
mn「うーんと、クラシアさんによる飲み物や食べ物は食べないように!しか伝えてなかったんよ。まさか別の生徒のチョコにも魔法がかかってるなんて予想は流石にできなくて」
gr「だからまだルナからのチョコを食べてなかったのか」
mn「あれよりAさんのチョコの方が断然おいしいに決まっとるから、別に食べてもらって構いませーん。それに」
彼が手帳に魔法陣をかざすと、緑色の可愛らしい字で書かれたメモが浮き出てきた。
「これは…」
mn「魔力を込めて書いた文字に、再度魔力を加えることで可視化できるようにしてる秘密のメモ。内容は内緒やけど、すごい幸せそうだったんよ」
だから、作戦とはいえ他生徒のチョコで良かっためう。ありがとうな、と笑うマンちゃんは明らかにこのシナリオにおいて勝者だ。
流石の会長もああそうかいと負け惜しみの反応しかできていないらしい。
os「…ん」
zm「あ、戻ってきた」
gr「言うだけ言って去りやがったな…」
os「…?」
おはようございます。未だ腕にくっついたままのオスマンに挨拶すれば、たちまち顔の色が林檎のように熟されていく。
os「な、なんで…⁉︎」
gr「ほぉ、あのオスマン先生でも恥ずかしさは存在していたのか」
os「う、うるさいわ」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年12月1日 19時
