10話 付き合ってるんスか? ページ10
部室に戻って俺たちは汗で濡れている練習着を脱ぎ、制服に着替えている。
午前中に授業が終わり、昼食をとってから練習が始まったので、時計の針は現在五時を過ぎを指していた。
俺以外の1年は皆、まだ自主練をしたり職員室に行ったりなどしていて、まだ部室には来ていなかった。
「そういえば、先輩達は自主練しないんスか?」
「あ?今日は休みだ」
「そうなんスね!てっきり毎日自主練してるのかと思ってたっス!」
「休息も大事だからなー」
「練習も大事だけど、し過ぎも駄目ってことだな」
「そういう黄瀬はしねえのかよ」
「俺は今日夜からモデルの仕事あるんで帰ります!」
「ああそうかよ」
俺がそういうと、笠松先輩は興味無さそうに言い、森山先輩はモデル…とブツブツ呟いている。正直ちょっと怖い。
そういえば、ずっと気になってることがある。Aっちと笠松先輩の関係って何なのかという事。
「笠松先輩は、Aっちと付き合ってるんスか?」
「ブッ!!?」
「うわ!?笠松汚ねえ!?」
「だ、大丈夫スか!?」
笠松先輩は俺の発言に反応し動揺したのか、ロッカーから取り出して飲んでいたドリンクを吹き出していた。そんなに反応を示すという事は俺の予想は当たっていたのかと思うと、少々顔がニヤけてしまう。しかし笠松先輩は俺の発言に対して否定をしてきた。
「っば!?お前何言ってんだよ!?」
「先輩顔真っ赤っスよ?」
「うるせえ!」
「グエッ!...先輩腹パンは酷いっス!」
「お前が変な事言うからだろうが!別にそんなんじゃねえよ!ただの幼馴染だ馬鹿野郎!」
「幼馴染なんスか!?」
「俺も笠松に、あんな可愛い幼馴染がいるって今日初めて知ったぞ。笠松なんで教えてくれなかったんだ!」
「なんでわざわざ教えねえとならねえんだ!おら!さっさと帰んぞ!」
そう言い捨て笠松先輩は、鞄をひったくって部室から出て行った。その後を小堀先輩と森山先輩は慣れているのか、笑いながら着いて行っていた。
「あ、俺も帰るっス〜!」
出ていく先輩たちの後を追い、急いで着替えて俺も鞄を持って部室を出た。
笠松先輩に何でこいつ着いてきてんだという目で見られたが、特に何も言われなかったので一緒に帰っても良いと解釈した俺は先輩たちの後ろを歩く。
こうやって誰かと帰るのは久しぶりな気がする。
俺は若干ウキウキした顔をしながら歩いていると、校門前に誰かが立っているのを見つけた。
「あれって、Aっち?」
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笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時