6話 愛情が大きすぎる ページ6
昔の癖で作ってしまったドリンクはかなり好評だったようで、ちょっぴり安心した。
ホッとしている私を見た笠松先輩は、気を使ってくれたのか話しかけて来てくれる。
「久しぶりにお前のドリンク飲んだけど美味かったぞ。あれ、昔と味変わんねえな」
『笠松先輩!ありがとうございます。無意識に笠松先輩のこと考えてたのかもしれませんね』
「だあ!?うるせえよ!」
笠松先輩は顔を真っ赤にして、私の額にデコピンする。結構痛いんだけど、威力を弱めてくれてるのか、少しヒリヒリするだけです。本気でやられたらタンコブどころじゃ済まないのを、私は知っている…
そういう所も含めて、昔と変わらず優しいし、大好きだと改めて思う。
「そう言えば監督、なんでAちゃんを採用したんですか?」
「ん?ああ、小堀か。一言で言うなら、バスケが本気で好きだと感じたからだな。別に仕事をしてくれるのなら、黄瀬目当てでも構わんよ。まあ、白川は違うやつに夢中のようだがな」
「監督知ってたんですか?」
「採用の面接の時にな」
〜〜
『えっと…監督、最後にお伝えしておきたいことがあるのですがいいですか?』
「ん?どうした」
白川は少々バツが悪そうにワシの目を見て、口を開く。特に問題はないためそのまま採用するつもりであるが、一体どうしたというのか。
『私、主将の笠松先輩とは幼少期からの知り合いで、それで…私、えっと…笠松先輩のことが大好きなんです』
「は?」
『それに関しては、現を抜かして仕事をさぼることはないと誓いますが、でも私も選手の一人に恋をしている身なので、他のマネ候補の方々とあまり変わりがないと言いますか…不純な動機で入部したいとは思ってはいません。でも、思いを寄せていることに噓偽りはないので…』
「あ、ああ、そういうことか!気にするな白川、採用だ」
『え?』
「別にワシはそこら辺は気にしとらんよ。真面目に仕事をしてくれればいいんだ」
『私で、いいんでしょうか…?』
「白川以外は無いとワシは考えているが?」
『あ、ありがとうございます!』
「しかし、笠松か。まあ、わからんでもないが、アイツの何が良いと思ったんだ?」
『…全部です。笠松先輩の全てが好きです。結婚したいくらい大好きです!』
〜〜
「...まあ少々愛情が大きすぎるがな...」
「ああ…まあ、そうですね」
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笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時