38話 焦るな ページ39
「ったく!もっと点差つけれたぞ!何やってたんだ!」
「「「はい!」」」
「基本がなってねーんだよ!ハンズアップ!スクリーンアウト!リバウンド!」
「「「はい!」」」
「高さが勝ってんだからリバウンド抑えてくんだよ!」
ベンチに戻り、監督が怒鳴っている中、涼太は静かに座って何かを考えていた。
黒子くんが弱点と言っていたけど、涼太にはもう1つ弱点があると思う。
コピーが出来る、出来ない以前の問題。
でもその前に、1人対策をしなければいけない人がいる。
『森山先輩、日向さんのディフェンスをもう少し詰めることは出来ますか?』
「え?あ、ああ。可能だが」
『じゃあ2Q目はそれでお願いします。今後1番警戒しなきゃいけない人物だと思います』
〜
第2Qが始まった。
先程と誠凛のプレイが違う。
黒子くんと連係をして攻めてきたのである。
1Qはあくまでも、黒子くんがパスをしてからのワンマンプレイ。
でも今は、プレイに中継パスを組み込んできた。火神くんがパスを出すことで、攻める選択肢が増えたんだ。
『これは、手強いな〜』
日向さんに黒子くんがボールを回した。
隙をつかれてしまった。
反応に遅れた森山先輩は、シュートを防ぐ事は出来ず、日向さんのスリーは決まった。
『やっぱり相当打ち込んでる。もしかしたら去年の敗戦から...』
幸ちゃんも気付いたみたいで、警戒をしている。恐らく、後半には主力で打ってくると思う。
また、驚くことに、黒子くんが涼太のマークにつき、涼太が抜いたところで、バックチップをしてボールを獲った。
そのまま速攻でパスを出され、水戸部さんがレイアップを決める。
少しずつ、点差が縮まっていく。
『涼太焦るな!』
私が大きな声で言っても、多分涼太の耳には届いていない。
数分で、点差を縮められて、焦らないはずがない。でもまだ2Q目...落ち着いていかなければいけない。
抜いてバックチップをされるならと、涼太は外から打つ。
しかし、高さは火神くんがカバーし、シュートは弾かれる。
「行くぞ!速攻!!」
「...っち!」
ボールを追いかけようとした涼太は、腕を振り切って走ろうとする。
ガッ!鈍い音がベンチまで聞こえてきた。
一瞬何が起きたのかが理解出来なかったが、目線の先には、頭から血を流している黒子くんがいた。
「レフェリータイム!!」
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笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時