31話 うっわーお ページ32
｢A、噂の黒子とやらは?｣
『それなんですけど...』
幸ちゃんに聞かれて、私は少し躊躇う。
練習は見てきたけど、黒子くんだけはどうしてもわからなかった。
言い方は悪いが、ドリブルもシュートも素人よりも少し上手いと言うぐらいで、脅威になる相手ではないと思う。
それでも、涼太が凄いと言うのだから、私のスカウティングは甘いのだと思ってしまった。
『黒子くんは...正直よくわかりません。ドリブルもシュートも素人並み。でもパスは上手いなと思います。私よりも涼太の方が詳しいかと』
｢黒子っちは凄いんですよ!｣
というか、涼太はそれしか言わない。
もう少し、詳しく説明は出来ないのだろうか。
それを苦笑いしながら、小堀先輩が涼太に聞く。
｢凄いのはわかったから、もう少し具体的に説明はないのか?｣
｢んー...多分黒子っちの凄さは試合を見ないとわからないと思います｣
『すいません。ちゃんとスカウティング出来てなくて』
私は皆さんに向かって頭を下げる。
対戦校の情報をちゃんと調べられないなんて、マネージャーとしてどうなのだろうか...
｢まあ初めてにしちゃ上出来すぎるだろ。とにかく今日は火神を要注意、黒子はよくわからんが試合始まってからどうにかすりゃいいだろ｣
｢そうだな。誠凛もアップ始めたみたいだし、黒子でも様子見しておこう｣
森山先輩がアップをしている誠凛をじっと見る。それにつられ、レギュラーの皆さんも、アップを眺める。
ずっと思っていたけど、日向さんってスリーがとても上手いな。
ブレが無いし、よっぽど打ち込んで来たみたいだ。土壇場で打たれたら相当厄介かもしれない。
私がそう思っていると、森山先輩が呟く。
｢あの女監督、いいな...もう少し胸があってもいいが、あれもあれで...｣
その一言で海常のベンチは凍りついた。
うっわーお...黒子くんを見ているんじゃなかったんですか森山先輩!
というか、そんな事を言っていたら幸ちゃんが...
｢森山、今日お前ベンチな｣
｢すまなかったと思っています｣
｢ふざけてないでちゃんとしろよ。というか、黒子はどこなんだ?｣
｢黒子っちなら、あそこにってあれ?｣
『涼太が見失ってどうするの!?』
彼は相当影が薄いということがわかった。
火神くんの動きが派手すぎて、黒子くんどころではないんだけどね...
本当よく跳ぶな〜。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (
レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです！しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴよ子 | 作成日時：2017年9月30日 23時
