彩誕大遅刻 �� ページ24
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「おい、小塚。」
ちょうど教室から出て廊下を歩いていた小塚を見つけ声をかける。小塚はすぐにこちらを振り返る。
「若武、どうしたの。」
さりげなくだ、さりげなく聞き出せ。若武はその言葉を心の中で唱えながら先ほど考えた話の導入をそのまま口に出した。
「小塚、おまえアーヤに渡す誕生日プレゼント決めたか。」
「決まってないよ。若武は？」
聞き返されるとは思っていなかった若武は面食らってどもる。
「あっ、と、とくに決っまっってない、ぞ！」
小塚も若武が謎の返事を返してくると思っておらず、びっくりして若武の顔を二度見し、なにやら様子がおかしい若武を心配した。
「若武、大丈夫？ 今日様子おかしいよ。もしかして具合悪いの？」
せっかく彩の誕生日の話題を切り出せたのに、話が変わってしまった。小塚は若武を心配して様子を伺ってくるし、もう聞き出すことは不可能だろう。
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若武は講義室の席に座り直した。結果的に小塚から聞き出すのには失敗してしまったからだ。これはもう黒木から聞き出してみるしかないだろう。黒木に聞いてしまうと若武が彩の誕生日を知らないことがバレてしまいそうで、できれば黒木には聞きたくはなかったが、背に腹は変えられない。
そんなことを若武がしょげながら考えていると急に喋りかけられる。
「若武、さっきからおかしいけど何かあったの。」
「黒木！」
それは黒木だった。若武はこの機会を逃すまいと話しかける。
「アーヤの誕生日のことでちょっとな…」
「アーヤの誕生日のこと…」
黒木は若武のその言葉にすこしばかり考え込む仕草を見せる。若武はその間も黒木が何か情報を落としてくれないか見守るばかりだ。
若武に見られながら黒木は考えていたが、なにかに気がついたようではっとして顔をあげると、彼の整った顔にいつもの余裕たっぷりの笑みを浮かべた。そして俄かに話題を変える。
「そういえば、アーヤの誕生日って毎年休日なんだね。毎年ゆっくり出来るのちょっと羨ましいな。誕生日の学校てちょっと気だるいよね。」
＿＿毎年休日なんだね
(毎年休日…っていうことは祝日の3日がアーヤの誕生日か！)
若武は彩の誕生日をやっとのことで特定できた興奮で胸がいっぱいになって黒木におざなりに返事をした。なんと返したかも思い出せない。
黒木は若武の興奮して笑っている顔をみて安心したように息をついた。
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赤シートメガネ(プロフ) - enoka_017さん» お褒めの言葉ありがとうございます。KZメンバーの描写は特に表情や仕草にこだわっているのでそう言っていただけてとても嬉しいです。KZよりの作品ですのでこれからも楽しんでいただけると思います。また機会がございましたらREBORNも読んでみてくださいね(笑)。 (2021年9月10日 21時) (
レス) id: 1a1e090d12 (このIDを非表示/違反報告)
enoka_017 - 私はREBORNに関しては浅学ですがKZメンバーの描写が丁寧且つ明瞭で楽しく読ませていただきました。続きも期待しております (2021年9月10日 18時) (レス) id: 268e8d600c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤シートメガネ | 作成日時：2021年9月8日 22時
