第1話。 ページ2
「お兄ちゃんっごめんなさい…」
「謝れば許されると思ってんの？」
私は今日も理不尽な暴力に支配されている。
理由はなんだっけ？
思い当たる節がない。
じゃあ、なぜ私は謝っているの？
それもわからない。
「全部脱いで俺に跨がれよ。」
私は兄の命令に口答えせずに言われるがままに行動した。
明後日から夏休み。
明日が終われば田ノ浦くんにしばらく会えなくなる。
私の唯一の心の支えなのに。
ちゃんと耐えられるだろうか。
どんどんエスカレートする兄の暴力に。
田ノ浦くんに会えない寂しさに。
私は溢れる涙をそのままに、ゆっくりと目を閉じた。
キーンコーン…
一学期、最後のチャイム。
いつもはなんともない音なのに今日はやけに寂しく感じる。
「今日も図書委員の仕事あんの？」
「うん…」
田ノ浦くんと学校で会うのも今日でしばらくはなくなっちゃうな。
「何、寂しそうな顔してんだよ。」
彼はそういうと、私の頬を優しくつねった。
本当に田ノ浦くんってエスパーみたい。
「だって夏休みに入ったら田ノ浦くんに会えなくなっちゃうよ…」
「は？なにいってんの？夏休みなんてイベント目白押しだろ？」
「…え？」
「花火大会、海水浴、バーベキューにキャンプだろ？あとは俺の最後の試合、それは絶対に見に来いよ」
「え…えっ？」
田ノ浦くんの早口言葉に頭が追いつかず、私は困惑した。
「え？じゃねぇだろ。全部、１つ残らずやるぞ」
「私と？」
「当たり前だろ？渡辺さんと以外、誰とやんだよ」
「そんなにいっぱい、私に時間をくれるの？」
私がそういうと田ノ浦くんは少し眉をひそめた。
「なんで、そんなに遠慮すんの？渡辺さんは俺の彼女なんだから、もっとわがまま言っていいんだよ。てか、もっと言え」
田ノ浦くんはそう言って私の両方の頬をつまんだ。
「俺の時間は君が望むなら全部あげるからさ。だから思い出いっぱい作ろうな？」
私はその言葉に目頭が熱くなった。
「田ノ浦くん…すごく嬉しい」
「なんだよ、君は嬉し泣きもすんのかよ」
「ごめん…」
「バーカ。ほんと、俺の彼女様は困ったもんだな。」
田ノ浦くんはそういうと私の頭を優しく撫でてくれた。
田ノ浦くん…
私、この先きっと…こんな幸せなことないと思う。
だから、今の幸せをちゃんと噛み締めて貴方を全力で好きでいるよ。
私のこれからの幸せ、全部貴方に使いたい。
だから…
その幸せを使い切るまで、私のそばにいてね。
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クロ - 久しぶりです！ 少し来れてなくて....更新してくれて嬉しいです感激で語彙力が (2019年8月18日 13時) (
レス) id: df4019f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - えだまめさん» わぁ、えだまめさんお久しぶりです！！part2までどうもありがとうございます！！part3でも元気をもらえたら嬉しいです！またお待ちしてます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 二度目のコメント失礼致します…！お忙しい中part2更新お疲れ様でした！ドキドキの展開で完結まで楽しみです！part3も楽しみにしております！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 83643b9572 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 夜道さん» 夜道さん、コメントありがとうございます！part3はお兄ちゃんたちのことをメインで書いていこうと思うので最後まで見守っていただけると嬉しいです！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - リリム@MEIKO廃さん» リリム様、コメントありがとうございます！すごく嬉しいお言葉感謝します！part3でまたお会い出来ることを楽しみにしています！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2018年8月15日 23時
