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◇10 ページ13

カーラが大きなドアを後ろ手で
閉めると、途端に静かになった



そこには長い廊下が続いており、
人気を感じなかった





「無理に連れ出してすまない。これ
飲んで落ち着いてくれ。」





カーラは太い眉を下げながら、ほのかに
ピンク色をした液体が入った細長い
グラスを差し出してきた





受け取って口をつけると、しゅわしゅわ
とした刺激と共に桃の味が口の中に
広がった





「ピーチソーダだが苦手だったか?
イヤなら無理して飲まなくてもいいん
だぞ。」


『んーん大丈夫。おいしいねコレ。』





長い廊下を迷いもなく歩いていくカーラ
の後ろを、ピーチソーダをちびちびと
飲みながら追いかける



廊下に響くのは革靴の底が廊下を叩く
音と、スニーカーのリズミカルな音だけ





『ねえカーラ、どこまで行くの?』





全く話さず早足で前を行くカーラに
向かって怖々声を掛ける





「ああ、不安にさせてゴメン。オレの
部屋ならゆっくり話せると思って...。」





彼は1つのドアの前で止まって私の方を
向いた



ドアには『Kara』と青で書かれた
看板が下がっている





「Please come in,mademoiselle.
(どうぞ、お嬢さん)」





カーラはドアを開けて中に入る様促した



私も乗って





『Thank you,Mr.(どうもありがとう、
ミスター)』





と恭しくお辞儀をした





カーラの部屋は寒色系、特に青で統一
されており、棚の中には今では珍しい
レコードが所狭しと並んでいる



勉強机の上には見慣れた青いヘッドホン
と黒フレームのメガネが置いてあった





『はぁ...やっぱりカーラなんだねぇ
...。』


「どういう事だよ。オレはオレだ。」


『だって...カーラいつもと口調違う
し、ホラ、一人称も。』





呆れ顔のカーラに指摘を入れると、
彼は「あっ!」と叫んで口を押さえた



そして、誤魔化す様に空になった私の
グラスを取り





「おっお菓子取ってくる!」





と慌てて部屋から出て行った



パーティ会場でもこんなやり取りを
したと思う





『変なカーラ。』





部屋の中でそんな事を呟くが、当然
返事は返ってこず独り言は壁に吸い
込まれて消えていった





小さなアルミテーブルの前に座って
カーラを待っていると、ノック音が響いた



ドアを開けると、カーラが両手に
お菓子を抱えて入ってきた





「ゴメン、持ったら意外と多くて...。
助かったよ」





『いえいえどうも。』





お菓子は小さなテーブルの上から溢れて
しまいそうで、確かにこれだけ持って
いたら扉は開けられないだろうなぁ、
と思った

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設定タグ:カラ松 , ギーク , オーナー   
作品ジャンル:アニメ
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新門アカツキ(プロフ) - 暇人さん» ありがとうございます!!全然更新できてなくてスミマセン...。近々更新しますので、待っていてくれると嬉しいです!!! (2018年9月19日 6時) (レス) id: d9194b6661 (このIDを非表示/違反報告)
暇人(プロフ) - 続きがきになるぅぅぅぅ最近見初めてどっぷりはまって一週間くらい待って今コメントしましたぁぁ!続きが気になりマッスル (2018年9月19日 3時) (レス) id: adf691658b (このIDを非表示/違反報告)
新門アカツキ(プロフ) - Aohaさん» ありがとうございます!!こちらも読んでくださるとは...!頑張って更新します!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: d9194b6661 (このIDを非表示/違反報告)
Aoha - 続きがめっちゃ気になります!更新待っています! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 99600ecbc7 (このIDを非表示/違反報告)
新門アカツキ(プロフ) - 響さん» 更新したぜ! (2018年5月18日 15時) (レス) id: d9194b6661 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:新門アカツキ | 作者ホームページ:http:/uranai.nosv.org/u.php/hp/yukanovel01/dia  
作成日時:2018年1月20日 1時

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