白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ16)

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きりやんside

「シャークん、放課後、時間あるかな？」

窓側から聞こえたその声に振り向いてそちらを見れば、やっぱりあの2人。
どうせ、告白でもするんだろうな。
話しかけられたシャークんは、ほら、露骨に嬉しそうな顔。
あぁ、こりゃ負けたな、なんて思いながら、2人を見つめていた。

「ん、大丈夫。」

出来るだけ平然を装ってそう返してるけど、口元は綻んでいて。
その顔に覚えたどうしようもないこの気持ちに、そっぽを向いた。

ー放課後ー

きり「くそ、時間食っちゃった...。」

なんだよあの先生。
学級委員を何だと思ってるんだ。
雑用じゃねぇんだよ。
さっさと荷物をまとめて帰ろう、そう思いながら、教室の扉に手を掛けた。

「ずっと、好きでした！」

聞き覚えのある声。
あぁ、最悪だ。
この現場に出くわすなんて。
止めて、聞きたくない。
結果なんて分かってるけど、それでも...。
この場から一刻も早く逃げ出したいのに、何故か足が動かなかった。

「俺も、ずっと好きだった！」

とても嬉しそうなその声。
俺の、大好きなその声。
あぁ、やっぱり。
分かってたけどさ。
知ってたけどさ。
でも、やっぱり辛いや。
涙が零れる。
声を押し殺して、何粒も、数え切れないほどの涙を零した。

「良かったぁぁ...。」

安堵したbroooockの声。
羨ましいなぁ...俺も、シャークんに好きって言われたかった。

「あのね、シャークん。」

そう言って、broooockが話し始めた。
それはきっと、好きになった日の事。