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6,優しい虎 ページ9

「…ふぅ、戻ったか。」

先程の青い空とはうって変わり、真っ黒な雲に覆われた空が目に写る。

うちの本丸は、大広間のすぐ隣に厨がある。

まだ全然みんなとも会えてないけど、大広間に誰か居ないかな。

あ、でも、また攻撃されるかも。

まぁまぁ、大丈夫でしょ。
何を根拠にって話だけど。


ガラガラ


厨の外扉をあけて見たけど、誰の気配も感じない、今のところは。

みんな部屋にいるのかな。

とりあえず夕飯をつくろう。


魚と一緒に煮る野菜を切りながら、懐かしなぁと思い返す。

刀剣の頃もこうして料理を作っていた。

それで、たまーに、作ってる途中にごこちゃんの虎ちゃん達が、匂いにつられて足元に来てたんだよなぁ。


トストス


ん? あ!

「虎ちゃ〜ん!来てくれたの??」

てことは……。
どこか近くにごこちゃんが?


あ、居た、ごこちゃん。


五「!」

目が合ってすぐ、ごこちゃんは肩をビクッとさせて、驚いていた。

怖がらせないように、優しく笑ってみせる。

すると、かすかに恐怖心が和らいだのか、少しだけ近づいてきた。


五「あ、あの、すみません!虎くんをおこらないで…」


そっか、あの主は動物達にも…。


五「あの、…。」

「え、あ、こちらこそごめんね。急にここに居て驚いたよね。」

ごこちゃんは頭を横に振った。

五「新しい審神者さんのことについては、薬研兄さんから、聞きました。」

「そっか。…もしかして、審神者には近づくな、とか言われた?」

五「え、あ、…えっと………。」


わかりやすいなぁ(笑)
優しいから言えないのかな。


「やっぱだよね(笑)薬研ならしそう。」

五「ごめんなさい…。」

「ううん、薬研も、弟達を守りたいんだよ。その気持ちはよくわかる。
ほら、行きな?あんまり話してると、薬研に怒られちゃうよ。」

虎ちゃんをごこちゃんに手渡した。

五「ありがとうございます。あの…」

「ん?」

五「僕、主さんのこと、怖くないです。あと、また、お話したいです。」

「そっか、嬉しいよ。でも今は、お兄さん達の言うことを聞くんだよ。ここで話したことも、内緒。ね?」

五「…はい。」

「お兄さん達が私の事を認めてくれて、良いよって言ったら、またお話しようね。」ニコッ

五「…はい!」

「うんうん、夕飯も楽しみにしててね。」

五「ありがとうございます。楽しみにしてます!」

そう言って、ごこちゃんは戻っていった。



ああやって、みんなとも分かり合えたらいいな……。

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片瀬(プロフ) - 更新楽しみにしてます☺️ (2023年4月16日 22時) (レス) @page3 id: fce4ac1cc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかり | 作成日時:2023年4月16日 9時

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