1,久々の本丸 ページ3
雅と別れて、私は門のすぐ前に立った。
本丸の方には、新しい審神者を送るという連絡が届いているはず。
多分、刀剣達は相当警戒しているのだろう。
殺気がここからでもよくわかる。
「これは、まんばちゃんかな。」
どうして私が殺気だけで誰かわかるのかというと、
私が元々ここの本丸の刀剣女士だったから。
といっても、あんまりみんなには好かれてなかったんだけどね笑
まず、女だったってこともみんなは知らないし。
それで、私はここで暮らしていたんだけど、ある事があって壊れちゃって、今度はみんなを助けるために審神者として、この本丸にやってきた。
簡単に言えばこんな感じ。
また、私の過去のことはいずれ話すとして
…これ、まんばちゃんだけじゃないな。
うっすらだけど、短刀の気配も感じる。
……わかんない、やっぱり前の体の通りとはいかないか。しょうがない。
とりあえず、何が来ても大丈夫なようにしておこう。
私は門に手をかけた。
ギィィ
ヒュン
シュッ
…あっっぶな!?
これ、普通の審神者なら避けられてないよ!?
飛んでくるとか、まあ、しそうだったけども。
あ、薬研だったんだ。
めっちゃびっくりしてるし。
薬「…運がいいな。」
一瞬驚いていた薬研は、平然を取り戻し落ち着いて言う。
山「…お前は、この本丸には必要ない。帰れ。」
今度はまんばちゃんが刀を抜き、私に向かって刃を向けた。
今頃、そんな脅し効かないんだよなぁ、
わたしには。
「帰らないよ、私は。」
目を見てそう言えば、まんばちゃんは私をぎらりと睨んで、刀を構えた。
山「…ならば、ここで切るのみ。」
私に向かって走りながら刀を振り下ろした。
しかしその刀は、私にとっては遅い、というか、他のまんばちゃんとくらべて動きが鈍く、いとも簡単に避けられてしまう。
刀を避けた私は、まんばちゃんの腕を掴んだ。
やっぱり、細い。ご飯食べてないんだろうな、手入れもされずにボロボロだ。
山「なっ、」
「ご飯食べてないんでしょ、動きが鈍いし、こんなに細くなっちゃって。今日の夜ご飯作るから、少しでもいいから、食べて。薬研もね。」
二人にとりあえずそう伝え、私は審神者部屋へと向かった。
少し振り返ってみるけど、二人ともその場から動かない。
多分混乱させちゃったのかもな。
それにしても、ほんとに覚えてないんだなぁ、私のこと。
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片瀬(プロフ) - 更新楽しみにしてます☺️ (2023年4月16日 22時) (レス) @page3 id: fce4ac1cc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2023年4月16日 9時