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幸福 ページ25

「…ごめんなさい。」
「え?」









あんずちゃんが唐突に謝ってきたものだから思わず、言葉が止まった。





「私は、聞きたくない。」






あんずちゃんがそう言って、顔を背けた。
一瞬だけ見た、涙が溜まった目に心が痛む。
あぁ、あんずちゃんはもうこの先が見えてるんだね。







「じゃー、あんず、俺と逃げよっか?」
「え?」







凛月が一瞬だけ、こちらを捉えて、ニッコリと笑った。






「でも、凛月くん聞かなくていいの?」
「あんずが分かった答えを俺がわからないわけないでしょ〜」









りっくんがさりげなく、あんずちゃんを歩かせて私の方を押した。
真緒にぶつかりそうになって真緒に支えられる。








「はい、あんず、Aに言うことは〜?」
「……Aちゃんのこと、すごく憎くて大好きだから、幸せにならなきゃ、許さない」
「ってことで。俺からもね。ま〜くん。A。俺は、2人がだぁいすきだからね。」









忘れちゃダメだよ。
それだけを残して、2人が去っていった。









「もう、分かりきってるけど。聞いていいか?」
「………真緒、小さい頃から貴方が大好き。でも、こんなずるい私じゃ真緒の隣なんて立てないよ…」









抱きしめられかけた手から逃げれば、真緒はため息をついた。
呆れた、よね。









「俺は、お前が思うよりずるいよ。お前なんか正直、比になんない。」
「え、?」
「お前の近くにいる為にどんな手でも使ったし、Aが、俺に惚れてるって分かってて駆け引きしてた。」
「……駆け引き?」
「うん、言えないことばっかり。だから、実際問題、俺の方が振られて当然。」









苦笑して、頭をかく真緒に思わず、手を伸ばして引っ張る








「そんなことないっ、真緒ならなんでもいい!」
「俺だってそうだよ。Aならなんだっていい。だから、Aはずるくなんかない」









してやったり。そう言いたげに真緒は、舌を出して笑った。

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魔王の使い魔(プロフ) - あ る ひ *さん» ありがとうございます。返信が遅れて申し訳ないです(汗)ちゃんと更新していきます! (2018年10月26日 1時) (レス) id: 9a6f3d90f9 (このIDを非表示/違反報告)
あ る ひ *(プロフ) - ああああ夢主ちゃん頑張れ。めっちゃ面白いです。更新頑張ってください!! (2018年9月4日 23時) (レス) id: 57d476482b (このIDを非表示/違反報告)
魔王の使い魔(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» まさか応援されるとは思いませんでした笑夢主頑張らせます☆ (2018年8月24日 9時) (レス) id: 9a6f3d90f9 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 夢主頑張れ (2018年8月24日 3時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魔王の使い魔 x他2人 | 作成日時:2018年8月21日 15時

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