偽り ページ24
「あんずちゃんだったらさ、選べる?」
「うん。」
言わずもがな。
そう伝わってきた。
だって、あんずちゃんは真緒が好きだもんね。
私は違うよ。
真緒も好きだけど、りっくんも好きなの。
二股?
ううん、今まで一緒にいたからこそ。
離れたくない。離したくない。
壊したくない。
「それで、2人を苦しめても?」
「…私が、どんな判断をすれば、みんな幸せかなぁ。あんずちゃんも真緒もりっくんも。」
その言葉に、あんずちゃんが顔を歪めた。
ほら、あんずちゃんだって、答えは出せないでしょう?
「私だって。最初は真緒だけを見てたよ。呼び方。真緒だけなんだよ。呼び捨てにしてるの。でも、いつだったかな…りっくんが私だけを見てるって知ったのは。」
そこから、私はどうしていいかわからなくなった。
りっくんにも真緒にも甘えて。
今の状況に満足していないって顔をしながら、心の底では安心してた。
いつまでもこのままは無理だと知っていた。
けど、これ以上どうしていいかわからなくなった。
「真緒だけを、想っていたのに………」
「凛月くんも好きなの?」
「好きが、わからなくなった。」
「それは…」
「そうやって、自分に言い訳してた。」
「え…?」
「じゃなきゃ、私は…"凛月"になんていいか分からない」
こうやって、被害者ヅラして。
私は今まで凛月も真緒も傷つけて自分を守ってきた。
「話はそんだけ?」
「心外、だよなぁ?凛月」
「ほぉんと。俺ら、どんだけ弱いと思われてたんだろ〜ね?」
え?というあんずちゃんの乾いた声が聞こえた。
いるとは、思ってた。
聞いてると、思ってた。
だって、嵐ちゃんがあのまま真緒を離すとは思えなかったし、凛月が真緒に連れてこられるのも想定内だった。
いると分かっていたから、ここまで話した。
これで、私の事をようやく全部知ってくれて。
ようやく、私に幻滅してくれる。
そう思った。
「A」
「A〜」
「今のお前の気持ちは?」
「こんだけ聞かせてさ、決まってないはもう通じないよ〜」
真緒の真剣な瞳。
凛月の悪戯な瞳。
自信に満ちた瞳。
影ってしまって本心が見えない瞳。
私は、
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魔王の使い魔(プロフ) - あ る ひ *さん» ありがとうございます。返信が遅れて申し訳ないです(汗)ちゃんと更新していきます! (2018年10月26日 1時) (レス) id: 9a6f3d90f9 (このIDを非表示/違反報告)
あ る ひ *(プロフ) - ああああ夢主ちゃん頑張れ。めっちゃ面白いです。更新頑張ってください!! (2018年9月4日 23時) (レス) id: 57d476482b (このIDを非表示/違反報告)
魔王の使い魔(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» まさか応援されるとは思いませんでした笑夢主頑張らせます☆ (2018年8月24日 9時) (レス) id: 9a6f3d90f9 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 夢主頑張れ (2018年8月24日 3時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魔王の使い魔 x他2人 | 作成日時:2018年8月21日 15時