37曲目 ページ48
Aside
まだ力の入らない腕を頼りに起き上がろうとすると理鶯さんが手を貸してくれる。
『ありがとうございます』
理鶯「あぁ、だいじょう…」
ぶ、と言いかけたのだろうけどピタッと私を見て動きを止める理鶯さん。
理鶯「A…この、鬱血痕は…どっちにやられたものだ?」
『え?ど、どこですか…?』
理鶯「ここだ」
理鶯さんが雨で濡れて冷えた手をピタッと首につけてくる。
『ひぁ…ぁ、す、すすすみません!ちょっと見るんで待ってください!!』
驚いたのと同時にさっきの事もあって熱が含まれた声が鼻から抜ける。
急いで鞄の中から手鏡を見つけ確認すると首のところに理鶯さんの言う鬱血痕__言わばキスマークが今見えるだけでも2つ付いている。
なんかたまにチクチクすると思ってたらこうゆうこと…!?
待って、鎖骨らへんにも何箇所かあるし…。
静かな寝息を立てて寝ている銃兎さんを睨みながらどうにか消えないものかとゴシゴシ擦ってみるが勿論消えるはずがない。
…ん?左馬刻のあの一郎達に見られんなよって…
理鶯さんがいるにも関わらず膝より少し上くらいあるスウェットを太腿の付け根まで上げる。
理鶯「っ、A。男の前で太腿は見せるべきではない。」
うっわぁ……なにこの赤黒い跡…こんなの当分消えないじゃん…
さっきの銃兎さんに付けられた赤い跡よりももっと痛々しい赤黒い跡が何箇所もある。
こんなの一郎達に見られたら血祭り状態が目に見えてる。隠そう。なんとしてでも!!
『理鶯さん、首の後ろにもないか見てもらえますか?』
理鶯「い、いや、小官が見るより洗面台へ行ってみる方が良いと思うが。」
『首の後ろは見えないんです…!血祭りを…血祭りを避けるためにお願いします!!』
必死に頼み込むと、折れてくれたのか分かった。と私の後ろに回る。
理鶯「A、後ろ髪を持っててくれないか。」
そう言われて髪を梳くって持ち上げる。
理鶯「…後ろには無いぞ」
『ホントですか!?良かったぁ…』
本当にこの2人は面倒な事をしてくれる…。
理鶯さんにお礼を言おうと振り返ろうとすると急に肩を掴まれ、首の後ろに顔を埋めてくる。
『ん、理鶯さん擽ったいです』
ふわふわと髪が首に当たって身悶えすると左馬刻の時と同じような痛みが走る。
『っ、!!理鶯さん!?』
呼び掛けてみても無視され何回か同じような痛みが続き、足が震えて立っていられなくなると同時にふわっと理鶯さんに抱き抱えられる。
理鶯「……言っただろう。小官は嫉妬深い。」
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にゅーとん - 銃兎さん…鼻血) (2021年6月19日 0時) (レス) id: 7179999a63 (このIDを非表示/違反報告)
にゃっ太 - ルアさん» とルアさんこんにちは、作者様ではなく申し訳ございません。独歩の一人称ですが、関わる相手によって『私』、『僕』、『俺』に変わっていた気がします。コメント失礼しました。 (2019年2月19日 17時) (レス) id: c8a9b4a817 (このIDを非表示/違反報告)
ルア - ん…?独歩は一人称俺だったか気が… (2018年11月11日 23時) (レス) id: 1942f38c99 (このIDを非表示/違反報告)
たかはし(プロフ) - これめっちゃ面白いです!少し気になったのですが、4曲目の頭が上がらない、は使い方が違うと思います。意味は「何度お礼をしても足りないくらい感謝している、または常に迷惑をかけているなど申し訳ない気持ち」を表すと思います。違ったら本っ当にごめんなさい!! (2018年9月15日 20時) (レス) id: b1c8d6ac09 (このIDを非表示/違反報告)
飴うさぎ。(プロフ) - 「女性恐怖症は発症されていた」はおかしいかと。「は」だと、病気が複数あるように思えてしまいます。「最初は(名前)にも女性恐怖症が発症されていたが」など、少し文を変えてみてはいかがでしょう。 (2018年8月31日 7時) (レス) id: 719b9efe66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽちねこ | 作成日時:2018年5月18日 0時