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五日目 ページ6
森を抜け、車に乗り込んだ私に
部下が運転しながら云った一言は
余りにも衝撃的過ぎた
『兄が消えたって…本当ですか』
震えを抑えながらもう一度尋ねた
「はい。先程首領から伝えるよう
仰せつかっておりました」
『解った。』
今の私には話す気力も無かった
それ程兄は私にとって大切だった
幼い頃、一緒にポートマフィアに
拾われた
兄には異能力があり
私には無かった
そんな私に与えられたのが
勿論、兄も渡されたが
呑み込みが早くあっという間に
上達した
ある時聞いたことがあった
『兄さんはどうしてそんなに上手なの?』と
そしたら兄は「Aを守るためさ」と
真剣な顔をして云っていた
だから私も上手になって兄を
守りたかった
たった一人の家族だったから
でも
守れなかった…
今迄、沢山の苦しい事があったが
今日ほどの日はない
その日久々に泣いた様な気がした
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作者名:すみっこ | 作成日時:2017年4月13日 23時