私がこの世でいちばんです

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VI「ヒョン！インスタ用のAの宣伝映像届いたよ。送るね。」

送られてきた30秒の短い映像。
これは俺たちのインスタ用に作られたものでティーザーとは違う映像のため、公開3日前の今日、全員でインスタに載せる。それぞれ全てテーマの異なった違う映像だが、どれも顔に日本の狐のお面をつけているため顔だけは隠されている。

肩につくか着かないかで整えられた、真っ黒なストレートの髪の毛に、肩の下まで着崩した和服が壮絶な色気を放つ。
水が張った暗闇の中で傘を持って、静かに座っているCELI。
突然音楽が激しいものに変わる。
同時に傘を閉じ、床に張る水をきりながら踊り出す。

VI「髪切ったんだね。めっちゃ似合ってる。」
SOL「すげえな、このダンス。。動きが激しいのに、衣装と合ってる」
いつの間にか俺のタブレットを覗く2人。
TOP「お前らのは？」

スンリの映像はまた趣向が大きく変わっている。
ボーイッシュなパーカーとジーンズを着て、バスケコートのベンチに寝転んでいる。狐の面はつけていないが、雑誌で隠しているので見えない。
そこへ突然、声が掛けられる。
"おい、ここは昼寝するところじゃねえぞ"

SOL「えっ、コイツって、」

そう、バスケットボールを抱えている青年役はIKONのバビだった。

挑発にのるように起き上がるCELI。狐の面を着けると、バビのドリブルしていたボールを奪い取った。その瞬間流れだすスローテンポで軽快な音楽とラップに合わせてドリブルしながら踊り出す。

『これ、Aとバビの声だよな？』

こんなに個性的な2人の声を聞き間違えるわけがない。意表を突くようなリズムの取り方をワザと入れてくる感じがAらしい。

SOL「うわぁ、これジヨンが嫉妬でキレるやつじゃん。」
VI「除隊したらバビ殺されそう。。」


最後にヨンベの映像。

そこは生物が生まれる前の地球。
黄金のリンゴに手を伸ばすアダムとイブ。
そのリンゴを齧った瞬間、狐面をつけた女が現れる。
"The forbidden fruit is the sweetest."(禁断の果実が1番甘いのだ。)

そう呟いて、彼女が一粒の黄金の種を地面に落とした瞬間ゾクリと震えるような鼻歌がはじまり、地球上に生命が生まれ始め、やがてその場所は韓国となった。

高層ビルの屋上から街を見下ろす女。
狐の面を取り、それを下に放り投げたところで映像は終わった。



VI「やばっ、もう0時だよヒョン！はやく載せよ！！」

　

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