■88.想う ページ45
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川瀬真子side.
ある日、自分がAの目の前で死ぬ未来を見た。
今まで色んな人の未来を見てきてとうとう自分の番が来てしまったのかと少し諦めていた。
あの子を守ることができるなら…
その時から覚悟は出来ていたはずだった。
だけどいざその時になると、怖いな…
身体からドクドクと出ていく血。
それと反比例していくように刺された胸の痛みも嘘のようになくなっていってる。
だんだん身体の力が抜けていくのが分かる
私を見て泣き叫ぶA
泣かないで…
指を動かそうとしてもピクリとも動かない
もう目の前で泣いている貴女の涙を拭いてあげることも出来ない……
大丈夫"と言うことも出来ない
視界もぼやけてきた
あぁ、私死ぬのね…
貴方から貰った最初で最後のプレゼント
お互いのイニシャルが入ったリング
ぼやけた視界の中でははっきり見えない……
最期に
愛する貴方に会いたかった____
"真子"
空耳かと思ったその声とともに、ぼやけていく視界の中、Aの肩をそっと抱く有吾が目の前に現れる。
有吾……っ
幻覚が見え始めちゃった…のかな
でも、会えた
ねぇ
私頑張ったよ
貴方がいなくても1人でこの子育てたの
とっていい子なのよ？
世界中に自慢したい…私達の可愛い子供
この子を残していっちゃうのが心残りだな…
でも大丈夫……この子は私たちの子供だもの……
きっと強く生きてくれる…
この子が誰かを愛し愛される未来もみえた
だから大丈夫
ねぇ聞いて有吾…
私話したいことが
たくさんあるの
･
ー2部完結ー
ーTo be continued……
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