□79.戦いの後 ページ36
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出水side.
米屋に急いでこいと連絡が入り、言われた場所に行くと傷の部分を縛られ応急処置の済んだメガネくんが仰向けに倒れていた。アスファルトにはメガネくんが流したであろう血が固まっている。
「おい米屋！」
「おせーよ！」
米屋の腕の中には気絶しているAが力なくもたれかかっていた。髪には瓦礫のようなものが引っかかっており、制服はところどころ破れていた。
……なんで生身でこんな怪我してるんだよ
「俺たちはメガネを運ぶから、お前はAを抱えて病院行くぞ」
「……」
「おいボサっとすんな！！」
「……お、おう」
米屋達はメガネくんを俺はAを抱えて病院へ急ぐ。走りながら腕の中にいるAを見る。大丈夫、大丈夫自分に念じをかけるように心の中で呟く。
お前は一体俺に何回心配されれば気がすむんだよ…
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病室のベッドに寝かされスースーと寝息を立てながら寝ているAをベッドサイドに置いてある椅子に座りじーと見る。
個室ということもありシーンと静まり返っている。廊下を歩く音ともに病室のドアガラッが開く音がする。
「よっ」
「米屋……」
「Aの容態はどうだ？」
「全身軽度の打撲と右腕が骨折しているらしい。とりあえずは絶対安静」
「メガネもAも命に別状なくて良かったぜ」
「メガネくんは？」
「メガネは今は集中治療室にいるが、迅さんが絶対目を覚ますって言ってるらしい」
「そうか」と返事をし、またAに視線を移す。そんな俺の肩にポンと手を置き「そんなシケたツラすんなよ」と言う。
「Aが起きたら、無茶すんじゃねーよ！馬鹿野郎！って叱ってやらねーと」
「……そうだな…言いたいことがいっぱいだ」
「じゃあ俺は残党を倒してくるわ」と手を振りながら病室を出ていく。
再びシーンと静まり返った病室。
言いたいことがたくさんか……
早く起きろよ……A…
綺麗な顔でスースーと眠っているAの髪に瓦礫がついており、気になった俺はそれをつまみとる。そしてついでに少しボサっとなった髪を撫でるように整えてやる。
「……柔らかい髪だな」
髪を撫でながらふと視線に入った唇。数秒見つめた後、磁石がひっ付き合うように、ゆっくり顔を近づけAの唇に
__キスを落とした。
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