消えた思い出は知っている

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私は夢を見ていた。
どういう夢かって？
なんだろう。覚えていない。
なんだか寂しい、悲しい夢だった。


起きると、頬が涙で濡れていた。
どうやら寝ている間、泣いていたらしい。

枕元を見ると、何かが置いてあった。
菫色の貝殻のような物……
私にはすぐその正体が分かった。
いつか七鬼さんに貰った、あのパソコンだ。
私がそれを見つめると、パソコンは勝手に開き、電源がついた。
凄い！
そして、メッセージが画面の中に現れる。
それを読み進めていくうちに、私の目からは涙が溢れていた。
今日何回目の涙だろうか。



(立花へ

ごめん。

俺はお前にそう言いたかったんだ。

前から…。

俺、本当はお前が悪くないこと、最初から知ってた。

でもあの時、お前を助けられなかったよね。

本当にごめん。

実は、美門に説得したのも俺。

前にも言ったけど、俺はお前に感謝している。

俺のやったことは、恩を仇で返すようなことだろうな。

許してくれないかもしれない。

それでももう一回。

ごめん、立花…。

七鬼忍 )

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