消えた思い出は知っている

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六校時が終わり、ホームルームも終わった。
「それではホームルームを終わります。皆さん、最近は不審者が多いみたいなので気を付けて帰るように。」
担任の先生が出ると、教室中がその話題で湧いた。
「そういえば俺の友達、不審者に声をかけられたらしいぜ。」
「マジかよ。怖えー。」
不審者か。怖いな。。。


教室の子達がどんどん出ていく。
途中、忍と目があったけど眉をひそめてきただけで、すぐに行ってしまった。
何か勘付けられたかも知れないな。

やがて教室に佐田真理子とその取り巻き以外、あと二人になっていた。
はぁ………


最後の一人が出ていったとたん、
佐田真理子が近付いてくる。
逃げて！！
私の心のなかで何かが私に訴えていたけれど、彼女の威圧感におされて足がすくみ動けなかった。
やがて佐田真理子の口角の下がった口が開き始めた。
「おまえさぁ。可愛くないくせにkzといて生意気なんだよ！」
取り巻きに押さえつけられ、とうとう動けなくなった。
「kzと今日中に絶交しろ！分かったか！？」
何であなたにそんなこと言われなければならないの？！
その事を言いたかったけれど喉の奥が詰まったようになり、言えなかった。
でも、これだけはつっかえながら言えた。
「………や……………………だ」
すると佐田真理子は私の頬を思いきり平手打ちをした。
教室中にパチーン！という音が響く。
私は頬をうたれた痛さよりもそれだけしか言い返せない悔しさの方が強かった。
思わず顔を歪める。
そして私を見るなり佐田真理子は舌打ちをし、出ていった。
取り巻きが追いかけていく。
一人残った教室で、私は今更痛む頬をおさえ声を押し殺して泣いた。
kzと絶交なんてしたくない。。。…

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