できるもんならヤってみな！【ブルロ】

戯れに花 ページ8

＊

「だったら食事は基本中の基本だろ！！
なんでそれすらも出来ないのに私を手伝おうとか思ったわけ！？善意？いや偽善だからね！？そしてありがた迷惑だしな！
お前らはバカみてぇにサッカーやって玉転がししてたら良いけど私らはドリンクの用意だの洗濯だの後片付けだのやんねぇと行けねぇの！！つまりお前らのせいで休みねぇの！！！そんな中くだらない理由で食事抜いてるあんたと会話するとか愚の骨頂すぎるね！！無駄な時間使いたくねぇからどいてくれる！？
一言一句分かりやすく説明してあげたけどどうかな分かったかな！！！！」

先程までの悪くない柔らかい雰囲気をぶち壊したのは、間違いなく私だろう。

静まり返ったトレーニング室で私の荒い息だけが響いている。
長々説明して若干舌が痛い。


「ごめん…」

普段の陽気な蜂楽くんからは想像もできないくらい小さな声が聞こえて、柄にもなく動揺してしまう。

＿＿＿言いすぎた、かな

確かに1日3食同じ献立が何日も連続だと食欲も失せてしまう気持ちも少しわかる。エゴイストならばそんな試練も乗り越えろという意図なのだろうけど、精神的にキツいものはキツいはずだ。

目尻を下げたまま俯く姿を見てしまうと、もう文句も浮かんでこなかった。


「ううん、ただ蜂楽くんは大事な選手だから食事面でも意識して気をつけなきゃなって…ついカッとなっちゃった。あの……えっ、と、私の方こそ、きつい言い方でごめん」

「……っぷ、はは！小さくなっちゃって可愛い〜！全然いいよん、心配してくれてありがとう！」

先程のしおらしい姿を一変させてけらけら笑う蜂楽くん。その病変ぷりは役者さながらだ。

「……現金な子」

何考えてるか分からない…いや、正確には感情の切り返しがとっても上手い子なんだろう。変な人だけど、ここで初めて私を信じてくれた人でもある。

「これからもマネ頑張って、Aっち！…じゃー寝てきまーす」
「…ありがとう、蜂楽くん」

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