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＿＿＿なんで居るの？七彩は今海外なんじゃ…？
短くなった髪と、新調したであろう制服の後ろ姿に泣きたくなった。彼女を前に頭が回らない。
「…BANG！」
流暢な英語を可愛らしい鈴が鳴ったような声で言う。途端に男子達は胸を抑えて倒れ込んだ。
彼女は極めて優秀でアメリカの有名な大学に進学したと聞いていた。昔より精度が増しているのにもうなずけた。
「…よし！多分5分位したら目が覚めちゃうだろうけど…今のうちに逃げよう」
走るよ、と無邪気に笑って私の手を握った。
圧倒的な光を前にして、何も出来ないこの現実だけがひたすらに私を侵食している。もう、どうすればいいか分からない。
＊＊＊＊
走ってきたのは屋上に続く長い階段の上だった。さすがにここまで来れば誰も追っては来ないだろう。
「…んん〜っ、久しぶりA！」
ぎゅっ、と七彩が抱きついた。近くから香る花の香りに思わず彼女を突き飛ばしてしまった。
「…っ、え…なんで？嫌だった…？久しぶりでびっくりしたのかな」
「なんでここに居るの」
自分の声が今まで聞いた事ない程に低くて内心びっくりした。七彩は泣きそうに顔を歪めて私の肩を掴む。
「Aが心配で戻ってきたんだよ…っ、勝己やしょーとくんに虐められてないかって」
「そんなに心配してくれてたなら残ってくれれば良かったじゃない。…あはは、何それ。七彩は私が虐められてたの知ってたんだ？子供のお遊びだって言ってたのにね」
あの時知っていて強く止めなかったんだ。私が虐められていたの嘲笑って、自分だけかっちゃん達を独占して。
助けてくれなかったのは意図的によるものだと知ってしまった今、復讐を止めることなど出来ない。
「ねぇ七彩、帰ってきたなら教えてあげるよ」
「…やめて、なんで…っお姉ちゃんって呼んでよ」
「私は貴方が大っ嫌い」
「いや、あのねっ、違うの」
「私はあなたに、貴方達に…復讐する」
「やめて！！」
ドン、と思い切り七彩が私を突き飛ばす。体が傾いて後ろに下がれば…そこに地面は無かった。
ああ、そういえば後ろは階段だったな。なんて考えて彼女の顔を見る。焦ったように私に手を伸ばし…あと少しで私の手が届くというところで引っ込めてしまった。
七彩は落ちていく私を見ながら笑っていた。
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トオ(プロフ) - あの、もう一気読みしました…好きすぎて……こんな作品作れるなんて凄くないですか？めちゃくちゃ尊敬してます… (2022年8月21日 10時) (
レス) @page18 id: 316392659a (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - あ、滅茶苦茶好きです…！ (2021年4月18日 5時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
*紅_あか* - わわわ！わー！！好きです！！！すっごい好きです！！！！あの…なんて言うんだろう…表現の仕方？とストーリーと夢主の思考？を行動に写して、わくわく(…かな？)してしまうほど好きです！！！！！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: d344c61285 (このIDを非表示/違反報告)
春風 恋(プロフ) - みかさん» ひゃーっっ、ありがとうございます！！皆さんへどんでん返しできたかな？とニマニマしながら執筆してます！笑 (2021年4月7日 13時) (レス) id: 41a6911d5c (このIDを非表示/違反報告)
春風 恋(プロフ) - チヒロさん» 分かりますかっこいいですよね切島くん(最推し) (2021年4月7日 13時) (レス) id: 41a6911d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春風 恋
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2021年3月27日 13時
