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昼休みになると、遠くの方でやたらうるさく賑わっていた。
その声の主は大半が男子で、私の机を囲みお弁当を食べている女子グループは愚痴をこぼしている。
「何あれ、キモすぎなんだが」
「なぁんか転校してきた美少女先輩？が一年の教室に来てるらしいよ〜、つか他学年の通路行ったり来たりって許可ないとダメじゃなかった？」
「転校生だからってちょっと常識知らずだよね生徒手帳見ろ」
大抵の人見てないでしょウケる、と彼女達に合わせて笑う。
気になるのは、その男子たちのどよめきが大きくなっていること。こちらに近づいてきている。
やがてその声はライブ中の声援の如く大きくなり、一致団結していった。うるさくてたまったもんじゃない。ほとんどクラス内には人が居なくて、私達も裏庭に避難しよっか、と席を立った時だった。
「金田……じゃなかった、上条Aは居ますか？」
そのソプラノ声に心臓が止まりそうだった。
＊＊＊＊
幼少期に置ける『可愛い』は人間の価値そのものとイコールで直結する。
性格が極悪でも容姿の良い子はとびきり高い点数をつけてもらい、クラスに君臨し、のさばり。
その逆の子は小学生の低学年の時点で、親と教師とでいつ転校をするかで何度も話し合うほどクラスの隅に追いつめられる。実際私がそうだった。
では、性格も顔も全てが完璧に『可愛い』金田七彩はどうなのだろうか。あの人は、自分の『個性』と合間みて魔性の魅力を存分に発揮している。
女も男も関係ない。人目見ただけでみんな好きになる。
声を聞くと麻薬のように体に染み付いて取り込んで壊して離れない。もう一度聞きたい。その撫でるような声で包まれたい。
そう、正しく彼女は魔性の女だ。
「わあっ、もしかしてA？あの頃もコロンとしてて可愛かったけど、もっと可愛くなっちゃったね！お姉ちゃんびっくり！」
嫌味すら気にならない程の愛らしい仕草。彼女が微笑む度に教室が揺らめくような気がした。
「ちょっと二人でお話したいことがあるのっ、ご飯一緒に食べましょ」
唖然としている私を半ば無理やり引っ張って廊下に出た。周り一体は言うまでもなく男子達がどよめいていて、まるで金魚のフンのように私たちに着いて歩いていた。
「んもう、ちょっと外野が多すぎだよ！」
少しだけ黙っててね、と人差し指と親指を立てて拳銃のポーズを作る。ああ、個性を使うんだ。なんてほぼ他人事のようにぼんやりと眺めていた。
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トオ(プロフ) - あの、もう一気読みしました…好きすぎて……こんな作品作れるなんて凄くないですか？めちゃくちゃ尊敬してます… (2022年8月21日 10時) (
レス) @page18 id: 316392659a (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - あ、滅茶苦茶好きです…！ (2021年4月18日 5時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
*紅_あか* - わわわ！わー！！好きです！！！すっごい好きです！！！！あの…なんて言うんだろう…表現の仕方？とストーリーと夢主の思考？を行動に写して、わくわく(…かな？)してしまうほど好きです！！！！！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: d344c61285 (このIDを非表示/違反報告)
春風 恋(プロフ) - みかさん» ひゃーっっ、ありがとうございます！！皆さんへどんでん返しできたかな？とニマニマしながら執筆してます！笑 (2021年4月7日 13時) (レス) id: 41a6911d5c (このIDを非表示/違反報告)
春風 恋(プロフ) - チヒロさん» 分かりますかっこいいですよね切島くん(最推し) (2021年4月7日 13時) (レス) id: 41a6911d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春風 恋
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2021年3月27日 13時
