ほんのよる【本紹介】 (ページ2)

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浜村渚の計算ノートページ2

浜村渚の計算ノート(文庫、ミステリー)

　この記事を書かずともご存じの方は多いのではないでしょうか。今回は、ご存じ無い方に紹介していきたいと思いますが、もちろん、ご存じの方も｢そうそう～｣という風に言っていただければ嬉しいです。

　この本は名前通りの数学本なんですよね。数学……うっ!頭痛が……という方もおられると思います。でも安心して下さい。この本は、超、面白く数学の魅力をたっぷり教えてくれるんです!この本を読むと、ある程度数学の“楽しみ方”が分かる、といった感じですかねー。その数学の楽しみ方を教えてくれるのが、ヒロイン・浜村渚ちゃんです！
　この子は、もちろん天才的な数学の才能を持っているんですが、さらにめちゃくちゃ可愛いんです!それも、メイクバッチリのAKBにいそうな人じゃなくて、とろーんとした美少女なんですよー！
(語彙力)とにかく、表紙の渚ちゃんが可愛いんですね～、ジャケ買いしてしまいそうです！

　でもこの作品はただ美少女が数学を教えてくれる小説ではないんですよね。設定が秀逸なんです。どんな世界観かと言いますと、
「『数学が情動の発達を妨げるので、義務教育から数学を抹消しよう』、という政策が実施された日本で、数学テロを実施して数学をもう一度この国に戻そうとする数学テロリストと闘う警察官たちと渚ちゃんの物語」といった感じですね。｢数学｣｢テロ｣｢美少女｣この設定、よく思いつきましたよね～。発想力に脱帽です！

そしてこの小説のジャンルが｢ミステリー｣なのですが、この数学テロリストたちはもちろん数学大好きなので、数学を用いた謎を用いてくるんです。しかし数学は義務教育から無くなっているので、警察官たちは謎が解けない。だからその謎を解くために協力者として警視庁に渚ちゃんが招かれた、ということです。物語のスジとしては、語り手の警視庁の刑事、武藤さんと、渚ちゃんが事件を解決していく、という流れです。どうしても、武藤さんがロリコンっぽくなってしまうのは渚ちゃんが小柄な中学二年生だからしょうが無いですね。

｢数学がなくなったなら。｣数学嫌いは誰しも考えたことがあると思います。これが現実になったら、どうなってしまうのか──、最後はきっと数学の問題集を眺めたくなる、そんな話です。各所各所に作者の数学愛も詰まっています。どうぞ読んでみては如何でしょう。

ではでは、おやすみなさい。