169日目【チャペル】 ページ38
ありとあらゆる場所に行った。
夢ノ咲の近くも、あいつと再開した噴水の近くも、よく行った公園や、猫のいる空き地も。
見慣れた馬鹿なオレンジはいない。
今まであんなに簡単に見つけられたのに。
「どこだよ…本当に、っ…」
思い出の場所に居る、なんてテンプレートが通じるわけがない。
直感で思いついた場所にいつもあいつは偶然いるのに。私はいつからこんなに捜し物が下手になったのだろうか。夢ノ咲近くの海沿いを歩く。
腕時計の針は既に日をまたいだことを知らせていた。人の気配すらない中で、海岸の先にある教会を見つける。夜間に開いているわけがないのに、その場所は私の心を惹きつける。
神に告げよ、だなんて随分シンプルなルート分岐ですこと。
「失礼します…」
誰もいないのは分かっているのだが、一言告げる。
古びた教会、既に使われていないのだが妙に綺麗に管理されているので夢ノ咲時代はたまに撮影に使ったりと色々世話になっていた。神や架空の楽園を描いたステンドグラスが月明かりに照らされる。鮮やかで仄かな虹色。
そして。
「……夜にお祈りなんて、神様迷惑がるぞ」
「…！！」
教会の奥で顔も見ずに、しかし明らかに私に投げかけるように声を飛ばす青年。見慣れた後ろ姿に息を呑む。神に祈って告げる、前に願いを聞いていたのか。オレンジの髪を揺らす、彼がそこにいる。
「れお…？れおだよね、何してんの…こんなとこ、で…っつか、よかった…無事で…じゃなくて、今まで何処ほっつき歩いて…！」
「……来んな」
れおの酷く冷たい一言が私の足を止めた。
睨むように鋭い視線を向けるれお。なんて声で命令を告げるのだろう。親の仇を見るように威嚇に近い警戒。
どうして。その一言が口から霞んだ声とともに落ちる。
「れお…」
「呼ぶなその声で。見るなその目で。
…もう、おまえを、Aと思わせんな…！」
「なにを…」
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琉夏 - 完結おめでとうございます。僕が大好きなレオ様で、まさに大好きなケンカップル・・・本当に大好きな作品でした。最終回も魅力的で、レオ様に合ってる感じだったのではないかと個人的に思います！今までお疲れさまでした。新作待ってます。 (2018年5月10日 22時) (
レス) id: 53dea5cf90 (このIDを非表示/違反報告)
河恩(プロフ) - 完結おめでとうございますうううううううううう…！！！！！！！！ 芸術ケンカプ、本当に大好き… 初めて小説に振り回された経験をしました！！！言葉の選び方がもうもう本当素晴らしい……新作待ってます…… (2018年5月9日 18時) (レス) id: 18177bd1da (このIDを非表示/違反報告)
湯菜坂 真凜 - くそっ、死ぬ死ぬ詐欺め。見事に引っかかってしまったぜ。完結おめでとうございます。お疲れ様でした。楽しく読ませてもらっていました。ありがとう (2018年5月8日 22時) (レス) id: adf71d9ee3 (このIDを非表示/違反報告)
白華 藍(プロフ) - 最終話のまとめ方魅力的すぎません？やっぱり王さまは笑ってないと寂しいですね……。この作品、とっても好きなので負担にならなければもっと読みたいです (2018年5月8日 18時) (レス) id: 11d06c67c1 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 完結、おめでとうございます。死ぬ死ぬ詐欺、引っかかりましたわｗ最後らへんは、本当に泣きそうになりました。ぜひ、番外編で続編かいてほしいです。 (2018年5月7日 20時) (レス) id: 38c9e68d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かきのたね
| 作成日時：2018年2月17日 20時
