164日目【デッドボール】 ページ33
マリが冷たく言い放った言葉で私はゾワッと身震いをした。人が本当に死んでいるとしたら。それがもし、日野Aの顔をしていた人なら。嫌な予感がよぎる中で容赦なく言葉を続ける本村。
「あの手術を受けた女性の一人の身元がわかった方が居たのですが、先日事故死をしています」
「……まさか」
「この中の一人が、本当に世界に唯一の貴方になろうとしているんです。オリジナルを殺してでも」
・
「分かりましたか？日野さんは今、この世にいてはいけないとされているのです」
「……はぁ…頭痛い」
本村さんは説明し終えて、その後私を気にかけるようにアイスコーヒーを追加で注文してくれた。困ったな…。インスピレーションが湧かない。こんな非現実ありえない。何故、私という存在がこんなに。そして、人が死んでいるだなんて。冗談じゃない。人をおもちゃのようにして遊ぶなんて。マリは少し困った顔で「一旦落ち着いて下さい」と背中をさする。
「本村さんは…どうして、こんなに？」
「マリちゃんに頼まれたからですよ」
「……もしかして、遊び相手サン？」
「僕は本気だったんですけどね。…食事を何度も行って期待してたら、日野さんの周辺情報の捜査を依頼されて、失恋した感じでして」
苦笑いをした本村さん。マリ曰く、アイドル業を辞めても尚、交流があるのは本村さんくらいなものだと言えば揶揄うように「脈アリだと勘違いしてしまいますよ」と言う。しかしマリはとても優しい顔をして眉を八の字にした。
「私はもう中途半端に好きだなんて、言えませんから」
マリがそう言った横顔を見て私はまた
「変わったね、マリ」
「…誰かさんのおかげです」
貴方に成り代わる人間なんていること自体がおかしい。私のライバルは、他でもない貴方であって欲しいから。そんなことは言えないけれど。
「そしてこれからはどうすれば」
「知り合いの整形外科医がこの件の解決に動いている、僕も捜査は続けるけど、ここからは『彼女』に託してあります」
本村さんに渡された名刺。そこには都内の整形外科病院の医師という肩書きと共に名前が書かれていた。
【皆川あんず】
どこかで聞き覚えのある名前に違和感を感じていた。
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琉夏 - 完結おめでとうございます。僕が大好きなレオ様で、まさに大好きなケンカップル・・・本当に大好きな作品でした。最終回も魅力的で、レオ様に合ってる感じだったのではないかと個人的に思います！今までお疲れさまでした。新作待ってます。 (2018年5月10日 22時) (
レス) id: 53dea5cf90 (このIDを非表示/違反報告)
河恩(プロフ) - 完結おめでとうございますうううううううううう…！！！！！！！！ 芸術ケンカプ、本当に大好き… 初めて小説に振り回された経験をしました！！！言葉の選び方がもうもう本当素晴らしい……新作待ってます…… (2018年5月9日 18時) (レス) id: 18177bd1da (このIDを非表示/違反報告)
湯菜坂 真凜 - くそっ、死ぬ死ぬ詐欺め。見事に引っかかってしまったぜ。完結おめでとうございます。お疲れ様でした。楽しく読ませてもらっていました。ありがとう (2018年5月8日 22時) (レス) id: adf71d9ee3 (このIDを非表示/違反報告)
白華 藍(プロフ) - 最終話のまとめ方魅力的すぎません？やっぱり王さまは笑ってないと寂しいですね……。この作品、とっても好きなので負担にならなければもっと読みたいです (2018年5月8日 18時) (レス) id: 11d06c67c1 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 完結、おめでとうございます。死ぬ死ぬ詐欺、引っかかりましたわｗ最後らへんは、本当に泣きそうになりました。ぜひ、番外編で続編かいてほしいです。 (2018年5月7日 20時) (レス) id: 38c9e68d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かきのたね
| 作成日時：2018年2月17日 20時
