宴の始まり ページ6
三年前 夜
夜、村人達はみな、燃える炎を中心に座っている。炎の周りを踊り子が踊り酔いの回った何人かで踊ったり歌ったりしている。そして今、目の前のご馳走を次から次へと食べる二人がいた。無論、イフと精霊イフリートである。
イフ「うめぇ……!二週間ぶりにまともなモン食ったー……」
イフリート「はむ……ほぉほぉのほぉーふぃふぁふふぁいな。ほぉんなのふぃんふぇんへふぁふふぇふぁっふぁ…((ふむ……ここの料理は旨いな。こんなの神殿では食べなかった…」
イフ「食べながら何か言うのは失礼っすよー」
イフリート「ふむ……」
彼女が頬を膨らませた時、ちょうど村長が彼らの前に来た。
村長「イフよ……。ワシは十数年、お主を見て来たが、やはりお主は神童とも呼ぶべき力を持っておった……。ワシは嬉しいぞ……」
イフ「俺はまだまだっすよ、爺さん。俺はまだ村長になれる器じゃないっす。だから爺さんには教えてもらうことばっかっす」
村長「そうか……。いや、ちょっと話が反れたのぅ…。実は折り入って相談がある。ワシの孫娘をもらってはもらえぬか?」
イフ「ごふっ!?」
彼は思わず飲んでいた水を吹き出した。
イフリート「そなたには孫娘がいたのか。誰なのだ、そいつは?」
村長「あの子じゃよ。小さい頃はよく二人で遊んでおったようだし……」
村長は踊り子の中にいる一人を指す。年はイフより少し上だろうか。黒い髪を後ろで一つに結い透けるように白い肌とマッチしている。黒い瞳、形の良い唇と正に容姿端麗という言葉から生まれたような人だった。
村長「村の為じゃ。頼んだぞ、イフよ」
イフ「全く……。これだから爺さんは…」
先程の話を聞いていたのか周りの村人達は思わず笑い声を漏らしてしまう。
この時、みなは予想もしていなかっただろう。既にこの村は滅亡の一歩を踏んでいたことに……
異変が起きたのは宴が終わりかけた時だった。
村長「うぐ……っ!!」
突如、村長が口から泡を吹きながら倒れたのだ。辺りはたちまちパニックの渦となり宴はすぐさま取りやめられた。
??「ふふふ……。始まるわよ……」
人知れず誰かがそう言った。しかし誰もその声を聞いてはいなかった。いや、聞こえなかった………
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遡久野(プロフ) - うむ。ものすごく面白かった。一応続き楽しみにしてるからなぁっ?! (2015年12月26日 1時) (レス) id: dfc3f4d26e (このIDを非表示/違反報告)
アカ(プロフ) - 虎紅さん» ありがとうございます。たまにはホームページにでも遊びに来て下さいね……? (2015年12月20日 19時) (レス) id: 88c7bc21b1 (このIDを非表示/違反報告)
虎紅 - イッフゥゥゥン!!最近光ノ来れてなくてごめん!!久々にみたけど面白かったよ!! (2015年12月19日 12時) (レス) id: 13f5557f4b (このIDを非表示/違反報告)
皐 - 面白ったです^^続き楽しみにしてまーす。 (2015年2月3日 18時) (レス) id: 5b124350dd (このIDを非表示/違反報告)
星野 鈴 - 最高です!!☆ヽ(最´∀`高)ノ★更新頑張ってください!! (2014年12月12日 19時) (レス) id: fee17f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
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