そこのチミ、暇なら見ていくザンス。後悔は・・・させないザンスよ。短編集VERSION

一松〜覚めない悪夢へご招待〜 ページ2

何時からだろうな。一松が狂っちゃったのは。


結構前からだったような気もするし、つい最近だった気もする。


一「ひひっ、おはようA。よく眠れた？」


一松はあんな気味の悪い笑顔は見せない。


今私は監 禁されている。監 禁と言っても、何も鎖で繋がれるんじゃない。


ドアだってあまり鍵はかけてない。窓もある。逃げ出そうと思えば逃げ出せる。


でも逃げれない。何故なら一松は松野家全員(一松以外)を人質にしてるから。


私が何かすれば最悪その人達全員皆殺しにされる。だから逃げられない。


すぐそばに自由があるのに見えない鎖でしっかり繋がれてるから逃げる事ができない。


「ねえ、もうこんな事止めてよ・・・」


一「止めるわけないじゃん。馬鹿なの？つーか、まだあいつらの事覚えてたの？」


「忘れるわけないじゃん。」


一「ちっ、忘れて逃げて、そのせいであいつらを殺すってシナリオが・・・そうすれば絶望した顔が見れるのに。」


っ、何てこと考えてるんだ。血の繋がった家族殺すなんて。本当は逆らいたい。でも関係の無い人が死ぬなんて嫌だ。


一「まぁいいか。結果僕に逆らえないんだから。さあ口開けて。」


「・・・やるの？」


一「当たり前じゃん。まさか逆らうつもり？」


毎日毎日行為をしている。やりたくないのに無理矢理ね。最悪。







一「A、ご飯。」


「ん。分かった。」


最近は一松は期限がいい。かと言って束縛が弱まるわけではないが。
そういえば、何故だかご飯を食べると眠くなる。きっと睡眠薬でも仕込んであるだろうが食べたらすぐに眠ってしまう事が多くなった。


「ん・・・ご馳走様。」


まただ。段々瞼が重くなってくる。


一「眠いの？」


コクンと頷く。


一「そっか。じゃぁおやすみA。」


夢も見る。いつも一松がいてずっと愛でられる夢。最悪だ。夢でも一松と一緒なんて。


もう起きている時間も短くなった。


そして永遠の眠り姫になる時が来た。ある日一松が錠剤を飲ませた。


一「さぁ、これで永遠に一緒にいられるよ。」


そう言い残して私も一松も眠りに落ちた。






知ってるA？前から君にある薬を飲ませてた。ご飯に混ぜてね。
あれは睡眠用でもあり飲んだ人同士夢で会えるやつ。さっきのはもっと強力なの。
永遠に目覚めないんだ。誰もいない僕らだけの世界。最高じゃない？
あ、人質は逃がしてないから飢え死にかも。


夢の中じゃ逃げれない。ズーット一緒ダヨ。

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