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#010.天使 ページ10





「ばいばい」



後ろから聞こえるAちゃんの泣き声を背景に、僕は家まで走る。



僕は、卑怯な奴だ。



「うっ……うぅっ……」



涙は留まることを知らずに、ポロポロと溢れでて制服に、シミを作った。



もう、白雪に行きたくない。



逃げるようで嫌だけど、母さんに「転校したい」なんて言ってみようかな。



なんて、その時の僕はとんだ馬鹿だった。







「た、ただいま……母さん……?」



恐る恐る、家の扉を開くと。



いつもは母さんがいるはずなのに、今日に限って母さんはいなかった。



「買い物かな……?」



そういえば、今日は父さんは仕事が休みだったはず。



2人でブラブラと、散歩でもしてるのかな。



「うわぁ……酷い顔」



リビングに置いている小さな鏡を見て、僕は少し苦笑する。



「自業自得、か……」



喉が渇いた、と思って冷蔵庫の中にある麦茶を取り出し、コップに注いで飲む。



「母さんと父さん……早く帰って、こないかな」



ジリリリっ!!



家の固形電話が大きな音を立てる。



その音は僕をまた、地獄へと突き落とす合図だった。

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設定タグ:あんさんぶるスターズ! , あんスタ , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ゆっ子 | 作成日時:2018年10月24日 21時

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