【あんスタ】天使は救われた。 (ページ3)

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#003.天使ページ3

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「あんた達が覚えてても私は覚えてないけどね……。さようなら」

男子の方を向いて、澪戸さんは呟いた。

「た、助けてもらった……？」

ボソリ、と僕が呟く。

すると、澪戸さんは僕の方に歩んできた。

「あ……や……っ」

髪を見られている。

そう思った僕は、パーカーのフードを被った。

「髪、綺麗だね」

「え……？」

困惑する僕を他所に、澪戸さんは僕の頭にポンッと手を置いた。

「……怪我が酷いね。女学部の保健室においで。教師には私から言っておくから」

「で、でも……っ」

「大丈夫。……この時間、保健室の教師は愛人の元に行ってるらしいから」

腕を引っ張って僕を立たせると、澪戸さんはズボンについていた土などを払ってくれた。

「……早くおいでよ。その傷で男学部に戻った所で面倒なことになるだけでしょ？」

「うッ……」

図星を突かれて、僕は呻き声を漏らす。

この傷で男学部に戻った所で、教師達に「どうしたんだ、若桜!?」と質問攻めになるだけだ。

それに、今戻った所でさっきの男子達にまたやられるだけだと思うし。

「わかった……行く」

「ん。わかればいいの」