『甘 酸 っ ぱ い。』【赤木路成】

太陽 ページ2

キュ キュ ダンッ



「ナイスキー！！」



「レフトーッ！！」



ダンッ





シューズがすれる音





ボールがたたきつけられる音








体育館へ近づけば音が大きくなる





『なぁ、これ私半ば強制やない？』



「そうだね、何？嫌だった？」



『嫌やないけどさ』



「じゃあいいじゃん」



スナはすたすたと昨日の毛先黒髪さんのところに行き何やら話している




なにやらというか、私の事だな



話し終え、練習へ行くスナと私の方へ向かってくる毛先黒髪さん



「すまんな、嫌やったら帰ってええねんで。」



『嫌やないです嫌やないです！！見ます！！全身全霊で見させていただきまっす！！』



「ふはっ、おもろいやつやな(笑)俺は北信介やアンタは？」



北、この人が北さんか



『AAです』



「A、な。ほな、そこに椅子用意しとるから座って見といて」



『え？』



「なんかあったら言うてな」



ほな、と言い練習しに行った北さん



まってえや、ファンに殺される奴やん



「そこ」って、皆さんのすぐそばやないですか、ギャラリーとは別の...




てか、監督？コーチ？の隣……



まぁ、ええわ



弧を描いて飛ぶボールを目で追う




「アラン！打ってええよ！」




あっ、あの人……



笑顔が素敵な人だ


見るからにLiだろうな









その時、アランと呼ばれた人が強烈なスパイクを打つ



ダァアンッッ





そんな音がするほどの





でもそのボールを彼は




トッ……





っと静かに、でも正確に、セッターのいるところにAパスでかえす




『完璧や…！！』



凄い、



かっこええ……！！



そのきれいな姿につい見入ってしまい気づけばギャラリーもいなくなった時間帯



「時間大丈夫か？」



『はい！大丈夫です！今から片付けですか？』



「おん、もう練習おわったし帰ってええで、今日はありがとうな」



『いえ！暇なんでｗこちらこそありがとうございました！モップ掛けしていきます』



「せんでええよ？！」



『いや、します！では！』



強引に私が話を終わらせモップの元へ行く



と、Liの人が



『あの…モップ掛けにルールとかあります？』



「え？手伝ってくれるん！？」



『はい！今日見させていただいたお礼です！』



「ほうか！ありがとう、俺は赤木路成言うねんよろしゅうな！」



そう言いにぱっと笑った


この笑顔





太陽みたいなこの笑顔が





凄い好き。

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