5話 ページ7
sh side
授業も帰りの挨拶も終わり、ようやく放課後だ。
部活はまだ…考えてない。
何か進展があったら考えよう。
…そういえばさっきの質問はなんだったのだろうか。
そう思った俺は登輝の肩を叩いた。
「なぁ、さっきの質問、どういう意味？」
そう、言いかけた瞬間だった。
「やめてください」
冷たく、氷のような声が俺の耳に突き刺さった。
「…え？」
困惑を隠しきれず、間抜けな声を出す。
登輝は続けた。
「…もう、話しかけないでください。僕と居てもいい事無いんで」
俯いたままの状態でも、その声は変わる事なく冷たかった。
「は、ちょ…！」
そそくさと逃げるように歩いていく彼を追いかけようとするが、余程のショックだったのか足が思うように動かない。
…そう、か
迷惑、だったのか
あの澄んだ瞳は、もう見れないのか
多分、今の彼の瞳は、どす黒く、星なんて見えていないだろうから。
俺の中の何かが崩れていく感覚。
…
「…苦し、い、な…」
そう苦し紛れに笑う俺の顔には、
大量の涙が頬を濡らしていた。
1人、青空の下で、
ただ、虚しく。
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kn side
言ってしまった。
多分鮫島さんは傷ついたんだろうな…
…でも、これでいいんだ。
僕は1人がふさわしいんだから。
でも、何故だろうか。
「あれ…なん、で…？」
僕の目から涙が止まらないんだ。
何も後悔することなんて無いじゃないか。
僕は、正しいことを、したんだ
そう思うたびに、心が締め付けられる。
ギュッと、雑巾を絞るように。
…なんで…
なんで僕はこんなことしか出来ないんだろう…
今更自分を恨んでも、何も変わらない。
そんなことは分かっていても、自然とやってしまうのが人間だ。
溢れる涙を隠すように学校を走って出る。
涙でぐちゃぐちゃになった視界は、まるで今の僕の心の中の様だった。
家に帰っても、もちろん誰もいない。
…一人暮らしだし
マスクを外し、家の鏡を見ると、僕の顔は酷くやつれていた。
こんなに泣いてたんだ、僕。
こういう時に、鮫島さんみたいな人が側に居たら、どれだけ心強いか。
だけど、そんなことももう、叶わない。
悲しい、辛い、怖い
「自分から遠ざけといて…何言ってんだろ…」
震える声は虚空に消えていく。
リビングの床に座り込んで、僕はただ泣きじゃくるだけだった。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます！感想嬉しい限りです！！励みにして活動させていただきます…！ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます！見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました（笑）凄く感動しました！ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！ありがたい言葉嬉しい限りです〜！！番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください！ (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます！！更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです！更新お疲れ様でした！番外編…！可能ならば書いていただきたい！長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです！更新頑張ります〜！ (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2020年10月14日 7時
