言いたいこと ページ16
「よしっ、もう薬もいらないかな。」
傷の痕すらなくなった
足を見て満足そうに鼻を鳴らす剛士。
ほどいたばかりの包帯を纏めながら
にこりと笑えば、剛士は少し眉をよせた。
もう自由にして良いと言うのに
何が不満なのかと首を傾げる。
「どしたの？」
「･･･いや、何でもねぇ。」
やはり不満そうな声で答えながら、
剛士は完全に狼の姿に変化する。
もう帰っちゃうんだな、と思わず俯いた。
「A、」
狼の姿でもやはり声は変わらなくて、
この家でこの声を聞くことは
もうなくなるのかと涙が滲みそうになる。
「そうだ、傷薬いくつか持って帰りなよ。
あんたすぐに怪我しそうだし。」
立ち上がりながら言えば、
剛士の耳がピクリと動く。
「名前、」
「は？」
「強がるときは、
俺のこと名前で呼ばなくなるだろ。」
「なに、それ･･･、」
そんなこと、知らない。
気付きもしなかったことを言われて、
思わず一歩後ずさる。
「俺が名前で呼べって言ってから
ちゃんと名前で呼んでくれてた。
けど、今は違うだろ。」
一昨日ぐらいから何度かあった、と
言われて、更に訳が分からない。
剛士のことを名前で呼べないくらい
余裕がなくなってたのだろうか。
寂しさを隠すことに
気を取られていたのかもしれない。
「何か、言いたいことがあるのは
お前の方だろ、A。」
「っ、」
全部、バレていた。
剛士の傷が治って、仲間のところに
帰ってしまうことが、また一人になることが
寂しくてしかたなかった。
それを剛士だけには
バレないようにしてたのに、
全く意味をなしてなかったらしい。
「さみしいよ･･･、」
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征波(プロフ) - ありがとうございます！Bハロ大好きだから、書いてみたかったんです！此方こそ作品を読んでいただいてありがとうございます。 (2017年11月5日 20時) (
レス) id: 3e289a6145 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。いつも征波さんの作品を楽しく読ませて頂いてます。Bハロの作品見るのは初めてで、また剛士メインなのでとても嬉しい気持ちでいっぱいです！素敵な作品ありがとうございます。これからも応援してます！ (2017年11月4日 18時) (レス) id: 212a2bb24c (このIDを非表示/違反報告)
征波(プロフ) - ご期待にそえるよう頑張ります笑 (2017年10月31日 21時) (レス) id: ad95b6fcf1 (このIDを非表示/違反報告)
茶々丸(プロフ) - そうなんですか！笑 いやぁ楽しみだなぁ (2017年10月31日 18時) (レス) id: 493c43bc0c (このIDを非表示/違反報告)
征波(プロフ) - 茶々丸さん» ありがとうございます(*´-｀*)剛士はぜったいハロパロ書きたかったんですよw (2017年10月31日 18時) (レス) id: ad95b6fcf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：征波 | 作成日時：2017年10月29日 18時
