忙しい日 ページ24
____ついに、待ちに待った学園祭当日。
「今日はご来場いただき誠にありがとうございます!」
…さっきからもう30分は口角を上げっぱなしだ。そろそろつってしまいそうな表情筋を休ませたい。
パンフレットの配布、来場のお客様への挨拶にトラブル対応…
"今日は忙しくなる"
…ある程度想像はしていたけど、ここまで大変だとは思わなかった。
「はぁ…」
開場から20分程たった頃だろうか。客足の波が少しだけ引いて、安堵のため息をつく。
私達1年生は展示だから、受付だけでまだ楽なほうだけど、出し物をする2、3年生は大変だろうなぁ…
まあもう数ヵ月で、私も2年生になるわけだけど。
…本当なら今すぐ業務を投げ出してしまいたいけど、この後のことを考えるとそうもいかない。
.
…そう、この後は松野先輩とペアで、学校内の見回りがあるのだ。
ただでさえ人の出入りが激しい生徒会室。その上会長が狙っている先輩と二人きりになれる確率なんて、ほぼないに等しい。
一向に進展しない私を見かねたのか、美咲には 「いい加減じれったい!」なんて言われてしまう始末。
…告白…とまではいかなくても、前よりは仲良くならないと!
「あ、」
ふと目に入った左腕の時計が指し示すのは、クラスの展示で私の受付業務が始まる5分前。
ヤバい、遅刻する…!
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作者名:いろは | 作成日時:2018年3月13日 14時