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「見て、今日撮ったの」
夕飯が終わってくつろいでいるときにそういえば、と思い出して鞄から携帯を取り出して彼の元に行く。
「んー?」
「ランチの時にみんなで撮ったの」
「わー、みたいみたい」
Aちゃんの会社の人、と腰に手を回されソファに座る彼の脚の間に座らされて隣に座ろうと思ってたんだけどなと身体が緊張する。
「ちょっと待ってね」
画像を探しているとお腹に腕が回されて肩に彼の顔が乗せられた。
(近い...)
「これ、先輩と同僚」
「わー、初めて見た」
この子が仕事代わってくれた子で、と指をさして説明するとうん、うんと頷いている。
「この人は?」
「この人は、私が入社した時に教育係をしてくれてた先輩」
仕事が出来て綺麗で憧れていると言うとそうなんや、と小さく笑っている。
「みんな綺麗でしょ」
うちの課は綺麗なお姉さんたちが多いんだよと画面を拡大する。
「そうやねぇ、、、でも」
「ん?」
「Aちゃんが一番可愛いわ」
「、、、」
携帯を触る手が止まって何て言っていいかわからない。
(そういうつもりじゃなかったんだけどな)
「あれ?もしかして照れてる?」
肩に顔を乗せていた彼に顔を覗きこまれそうになって慌てて携帯で顔を隠す。
「今見ちゃだめ」
「なんでよ、ええやん」
可愛い顔見せて、と楽しそうな彼にこんなはずじゃ、、、と熱くなった顔を冷まそうとするのに後ろにいる彼が離してくれなくてどうしようもない。
「ほんまのことなのに」
「それは、、、ありがとう」
「可愛いなって思うのも好きやなって思うのもセンラはAちゃんだけやで」
「、、、はい」
顔を隠したまま返事をすると楽しそうに彼は耳まで真っ赤やで、と笑った。
「でもみんな仲良さそうでええね。楽しかった?」
「うん。久しぶりにみんなでランチできてね、」
こんな話をした、と話し出すと彼は私をからかうのをやめて話を聞いてくれた。
「息抜きになった?」
「なったー。お昼ゆっくり出来るのもなかなか無いから」
「電話も嬉しいけど、こうやってご飯行けそうな時は気にせんと行ってきてな?」
ランチに行くから電話ができない、ごめんねと謝ったお昼のLINEを見て申し訳ない気持ちになったらしい。
「電話はしたいからしてるの」
「そうなん?」
うん、と頷くと彼は嬉しそうな声になった。
「俺の声聞きたくなる?」
またからかわれそうだなと悔しくて頷くだけにすると、嬉しいと強く抱き締められた。
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あーりん(プロフ) - lonleyさん» コメントありがとうございます!やっと書き始める事ができたのでのんびりにはなると思いますが読んで頂けると嬉しいです★ (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 気味悪さを表現したかったので、最高の褒め言葉ですwありがとうございます!笑 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
lonley - すごくおもしろかったです! 坂田くんver.気になって仕方ありません!! これからも頑張ってください! 応援してます! (2019年7月10日 21時) (レス) id: 39388112b7 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - おかえりってところでゾクってしましたw (2019年7月10日 20時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - もえかさん» コメントありがとうございます!どちらも読んで頂けて嬉しいです( ;__; )今後もよろしくお願いします! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月19日 6時