妖たちと暮らす家４

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「ん？」

ランチの話で思い出した、と突拍子もない声を上げてしまった。
彼はなにー？と私の言葉を待っている。

「みんなでランチしたときに飲み会の話になってね」

「打ち上げのやつ？」

「そうそう、みんな行きたくないけど頑張って行こうねって話になって」

行こうか迷っていると言うと皆頷いていた。
でも行かない方が精神的にくるから悩むよね、と先輩たちが言うとまた皆頷いて、女性陣は結託して頑張ろうという話になった。
無理強いはしない。もちろん行かないのもありだからその時は助けれるように頑張るね、とも言ってくれた。

「嫌なのはみんな同じだし、1日頑張れば良いだけだから」

「、、、お酒飲むのを頑張るん？」

「、、、それも。飲み会ってにこにこしてなきゃだめだから」

あぁ。と納得した様子の彼にほっとした。
セクハラされるんだよね、とは口が裂けても言えない。

「そっか。ほな頑張らなあかんね」

「その日は遅くなるけど次の日休みだからゆっくりしようね」

ごめんね、と言うと彼は首を振る。

「それは全然ええんやけど、、、」

「なに？」

「お酒大丈夫？飲めるけどそこまで強くないやん？」

家で飲むことがあるけど、酔っ払って吐くとか気分が悪くなることはないけどすぐに寝てしまって気付いたら彼に運ばれていた。なんてことがまーしぃと飲んでいる時にしばしばある。

「家だと気が抜けてるから。外では大丈夫」

そんなに飲まないようにするね、と言うと彼はまだ何か言いたそうな雰囲気を出している。

「お酒も心配やけど〜、、、」

「他にある？」

「Aちゃんのこと好きそうな奴も心配やなぁ、って」

酔っ払ったAちゃん、ふわふわしてて可愛いし。とまわした腕を強められた。
そういえば、その話にもなったなと彼に話していないランチ時の話を思い出す。


「高瀬くんとかどう？」

うちの課でなら誰がいいかと彼氏のいない同僚に先輩たちが質問攻めしていたときに出た名前。
そういえばランチを誘ってくれた彼はそんな名前だったなと話を聞きながら食後のデザートを口に運ぶ。

「高瀬さんかぁ、真面目が服着た感じじゃないですか？」

同僚の言葉に言えてる、と先輩たちは笑った。

「仕事が真面目なだけじゃ惹かれないかぁ〜」

「好きな子とかいるのかな？あんまり興味なさそうじゃない？」

「さぁ？どうだろ」

ランチに誘われました、とも言い辛くてじゃあ誰々は？と話す先輩を眺めて黙々と口を動かしその場をやり過ごした。

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