175:うしさ天 ページ41
「天ちゃん...?!」
「天月くんや...」
「みんな久しぶりー!」
元気にしてたー?とスーツ姿の天月さんがうらたんとまーしぃに向かっていく。
さかたんは口元を抑えて楽しそうに笑ってドッキリ成功やなぁとこちらを見た。
きゃっきゃと楽しそうに話すみんなを見て微笑ましい気持ちになる。
食べる必要はないと言っていたけど、せっかくみんなで集まったしピザでも取ろうかと彼に提案すると小さな声だったのに聞きつけたさかたんが食べたいとはしゃいでいた。
「同じ会社で働いてんの?!」
「俺らたまに行ってるけど全然気付かんかったなぁ」
「逆に凄くない?俺ってそんなに存在感無い?」
届いたピザをみんなで囲みながら楽しそうに次々と話し出して止まらない。
彼も楽しそうにみんなの話に声を上げて笑っている。
「ねぇ、センラさんたちはいつから付き合ってるの?」
「あー、それ俺らも聞いた事ないなぁ」
「気付いたらそんな雰囲気になってたし?」
どうなの?といきなりみんなから視線を浴びて戸惑う。
酔っているのかまーしぃは目が座っているし完全に悪ノリなうらたんは意地悪そうな笑顔になっていた。
(いつから...?)
いつからと言われても困る。
この日からね、なんて学生みたいな事はしていないからもちろん記念日なんてものもない。
息をするみたいに当たり前に好きだと言われるようになって普通じゃない事だらけだったから感覚が麻痺しているのかもしれない。
「ねぇ、いつから?」
「聞きたーい」
ピザを片手ににやにやと天月さんとさかたんがこちらを見ている。
そういう視線を向けられると、なんだか恥ずかしくなってきて口ごもってしまう。
わからないと言えばいいのにその後の追求が怖くて口が開けない。
(どうしよ...)
「最初からやで」
「は?んなわけねーだろ」
助けるように口を開いた彼にするどいうらたんの声がする。
「わからん?二人だけの秘密って意味なんやけど」
ね?とこちらに笑いかけた彼に頷くと一斉にブーイングのような声が上がってリビングはより騒がしくなった。
「そろそろお開きやで。天月くんも明日仕事やろ?」
「そー。だからそろそろ帰ろうかな」
まだ遊びたいとごねる三人を二人が立たせて玄関に向かわせてくれる。
「またみんなで遊びたいな」
「水曜日と週末に集まってるからいつでもどうぞ」
「気を付けて帰ってな」
玄関を出る天月さんの後に続いて、またねとみんなも姿を消していった。
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あーりん(プロフ) - lonleyさん» コメントありがとうございます!やっと書き始める事ができたのでのんびりにはなると思いますが読んで頂けると嬉しいです★ (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 気味悪さを表現したかったので、最高の褒め言葉ですwありがとうございます!笑 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
lonley - すごくおもしろかったです! 坂田くんver.気になって仕方ありません!! これからも頑張ってください! 応援してます! (2019年7月10日 21時) (レス) id: 39388112b7 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - おかえりってところでゾクってしましたw (2019年7月10日 20時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - もえかさん» コメントありがとうございます!どちらも読んで頂けて嬉しいです( ;__; )今後もよろしくお願いします! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月19日 6時