173:天月side ページ39
センラさんの名前を出すと凄く驚いた顔をして、その後酷く不安そうな顔をして表情が変わらないことに伝える順番を間違えたと後悔した。
自分にしては珍しく楽しいと思えることに浮かれてしまっていたんだと思う。
何やら深刻な誤解をしていそうなAちゃんの誤解を解いてセンラさんに会うため家に向かうと予想外過ぎて目の前の光景が信じられなかった。
「お！そ！いー！」
「ご、ごめんね」
甘えるように抱きつくセンラさんを見て自分が知っているセンラさんじゃないかもと一瞬疑ってしまう。
目が合って話すとやっぱりセンラさんだったけど、記憶にあるセンラさんとかけ離れていて思考が追いつかない。
Aちゃんが自分の分の夜ご飯を作っている間も、すっかり人間のようになったセンラさんに違和感しか感じなかった。
「あの子と契約したの？」
「そう。俺が勝手にしてん」
「何の為に？」
センラさんの妖力はもう十分なはず。
怪我をして下がってしまった妖力を手っ取り早く取り戻す為だとしてもあの子には今まで契約してきた人間のように妖力になる要素も無い。
「何の為？、、、ずっと一緒にいる為？」
「、、、それだけ？」
「それだけ。あの子がそうしたいって言うから」
人間の願いを利益無しで叶えるような妖ではなかったのに、ただ一緒にいるという契約をしたことに言葉が出ない。
人間と共に暮らすことも嫌がって呼ばれた時にしか行かなかったのに。
「びっくりするやろ。俺もびっくりしてる」
「恋してるの？人の子に？」
「あかんのか」
「そういう意味じゃないんだけどなぁ」
「わかってるよ」
照れたように笑うセンラさんを見て、こんな顔も出来るんだなと変に感心してしまう。
Aちゃんと話すセンラさんは見たことない優しい顔をしていたし、今までの人間相手の様に冷たさを感じる言葉遣いもせず疲れてないかと労わっていたことにも感心してしまった。
幸せに暮らしているんだなと何故か自分が嬉しくなってしまう。
妖の中でも特に人間嫌いだったセンラさんが、恋をしてこんなに変わるなんて。
見送ってくれた手を振る二人を思い出して、帰り道もなんだか楽しかった。
二人の行く末を見守るなんて、こんな楽しいことは無い。
魔法はなるべく使わないようにしているけど、自分の出来る限り応援しようと幸せそうな二人に口端は下がらないままだった。
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あーりん(プロフ) - lonleyさん» コメントありがとうございます！やっと書き始める事ができたのでのんびりにはなると思いますが読んで頂けると嬉しいです★ (2019年7月11日 23時) (
レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 気味悪さを表現したかったので、最高の褒め言葉ですwありがとうございます！笑 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
lonley - すごくおもしろかったです！ 坂田くんver.気になって仕方ありません！！ これからも頑張ってください！ 応援してます！ (2019年7月10日 21時) (レス) id: 39388112b7 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - おかえりってところでゾクってしましたw (2019年7月10日 20時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - もえかさん» コメントありがとうございます！どちらも読んで頂けて嬉しいです( ；__； )今後もよろしくお願いします！ (2019年7月7日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年6月19日 6時
