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週末感じた悪寒はしっかりと眠れたお陰か熱もぶり返すこと無く残ったのは少しの咳だけだった。
休みの間中、熱をこまめに測ったりご飯作りを手伝ってくれたり掃除をしてくれたりと彼は私の世話を焼き続けた。
「ぁあもう!また動いてー!そんなん俺がするから寝てて!」
口癖のように「寝てて」と言われすぎてもう元気なのになぁと思うけど、あれこれ忙しそうに動く彼を見ているのも楽しかったから黙って大人しくソファで横になっているだけだった。
咳をすると何をしていても飛んできて大丈夫?と背中を撫でる彼に、大袈裟だなぁと笑うと当たり前だと拗ねたように怒っていた。
(愛されてるなぁ)
親でもこんなに心配してくれないんじゃないかと、心配そうに私を見下ろす彼の瞳を見つめて思った。
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「宅配?」
「そう、私が仕事に行ってる間に届くと思うから受け取って欲しいの」
「わかった」
すっかり元気になった私はいつも通り出勤し少し咳が出ていたけど日が経つにつれてそれも無くなって体調も取り戻した。
「お取り寄せしたの」
「おとりよせ?」
これ届くからね、と携帯の画面で頼んだスイーツを見せる。
「お見舞いに来てくれたお礼」
「気にせんでええのに。でも喜ぶと思う」
久しぶりにみんなが遊びに来るし一緒に食べようと思って頼んだ百貨店のスイーツ。
限定物で買えないかもと思っていたけど頼んでみたら運良く買えたので姿を現すことが出来る三人の誰かに受け取りをお願いした。
「ちゃんと洋服に着替えて私の苗字書くだけって伝えてね」
「わかった」
じゃあお昼から呼んでおくと彼が頷く。
熱が下がって元気になった今でも、彼は玄関で体調は悪くないか、顔色は良いかと毎朝チェックを欠かさない。
「会社のインフルエンザの人もみんな治ったしもう大丈夫だってば」
「心配やのー」
頬に甲を当てて熱が無いか調べている彼の手を取っていってきますと声をかけた。
「いってらっしゃい」
握られた手をそのまま引き寄せられて少しふらついたけどすぐに支えられて唇が重なった。
「、、、口紅ついてるよ」
「俺は気にせーへもん」
「センラのせいで塗り直さなきゃいけなくなっちゃった」
「だから塗らんときやって言ったのに」
しばらく口紅を塗らずに出勤していたけど、やっぱり気になって塗ることにした私に彼は塗らなくていいと煩かった。
ふふん、と少し口紅がついた唇で薄く笑う彼もかっこよく見えたなんて、、、
(悔しい)
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あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー!ありがとうございます!m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね!おめでとうございます〜!これからの展開も楽しみにしてます(*´艸`) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月9日 16時