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彼に話を聞いてもらってすっきりしたけど、さっきから背筋がぞくぞくとして悪寒がしてきたような気がする。
(気が抜けたからかな...)
暑くなってきた季節に寒さを感じるのはおかしいなと、上着を着ようと立ち上がる私にどうしたのと彼が尋ねる。
「なんか寒い気がする」
「、、、はよ寝よう」
そのまま抱き上げると寝室に向かいベットに横にされてしまった。
「まだデザート食べてないよ」
「明日でも食べれるから。また熱出たらどうするん」
「眠くない」
「寝ーへんくてもいいから、暖かくして横になっとこう?」
ぽんぽんとあやすように私の頭を撫でてベットサイドに腰を下ろした。
「さむい」
「薬ちゃんと飲んだのになぁ」
大丈夫?とおでこにまた手を添える。
(そうじゃないのにな...)
心配そうに私に触れる彼を見つめる。
「センラ」
「ん?」
「さむい」
「、、、どうしようか。なんか暖かくなるもの、、?Aちゃん?」
立ち上がりかけた彼の服の裾を引くと、どうしたん?と私の手を握る。
「一緒に寝よう?」
熱を出している間に甘やかされ過ぎたせいか、随分と甘えた性格になってしまったなぁと言いながら自分でも驚く。
「俺の身体、冷たいやんか。Aちゃん寒いんやろ?」
人より体温が低いのを分かっているのか、彼は頷いてくれない。
「くっついてたらセンラの身体って暖かくなるんだよ」
「、、、そうなん?」
「うん。いつもそうだもん」
でもなぁ、と未だに渋っている彼の手を強く引くと諦めたように笑ってわかったと布団に入ってくれた。
「冷たくない?」
「大丈夫」
私に多く布団が被せられ、彼の腕に頭を乗せて隙間も無いほどぴったりと身体をくっつけて抱き締められる。
最初こそ少し冷たかったけど、くっついていたら段々と暖かくなってきた。
寝かしつけるように静かに梳かれる髪に眠気を誘われる。
「センラ」
「なぁに?」
眠くなってきたん?と小さな声で囁かれる。
小さく頷くと少しだけ身体が離されておでこに唇が落とされると、おやすみと小さな声が聞こえた。
「おでこだけ?」
「、、、風邪引いたらいつもより甘えたで可愛いくて困るんやけど」
甘えるように見上げると眉を下げた彼の唇が近付く。
重なった唇を薄く開くと躊躇ったように彼は舌を絡ませて、ゆっくりと唇が離された。
「もぉ〜〜!我慢するの大変なんやで」
可愛いくて辛い、と苦しくなる位抱き締められて文句を言う彼の腕の中で安心して眠りについた。
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あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー!ありがとうございます!m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね!おめでとうございます〜!これからの展開も楽しみにしてます(*´艸`) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月9日 16時