六日目【お手をどうぞ】 ページ6
「二度と呼びませんから」
「な、何でだよ!」
「自分が何したか思い出して下さい!」
「凄く幸せだったぞ!
おまえのやらしい顔とか声聞けたしさ☆」
「自重!!!」
学校へ行く道中で月永先輩がニコニコ笑いながら昨日の話をし始める。勿論鞄を振り回して話を中断させる。ぐふ、と苦渋の声を出して道路に倒れる。もう、相変わらず自重が出来ない元気いっぱいな王さまで困る。
「もー、A待ってくれってー!」
泣き言が聞こえて、流石に早足で進む足を止めて一旦引き返す。尻餅をついて少し拗ねた表情の月永先輩。全く、年上なのに…子供みたいな人だ。昨日はあんなに大人スイッチ入っていたのに。
「ん……」
手をぶっきらぼうに差し出す。
「え、っと」
「学校…行くんでしょう?早く立って下さい」
自分でも何言っているのか分からなくなって「名前は無理でも、手…くらいなら」と言いながら顔を背けた。そんな私を見てパァっと笑顔を咲かせて、勢いよく立ち上がる。
「Aっ!!」」
「うわぁっ!だからっ、外でハグとかしない!」
「おまえほんっと可愛いな!愛してるぞ!」
「だっ、だからぁ…しれっと言わないで下さい!!」
私の頬が紅潮しているのに一切気にしないでギュッと抱きしめて振り回す。
月永先輩の笑顔が燦々と輝く、これを向けられると何でも許してしまう。
そして、互いに向き合って私は洒落たジョークのような言葉で心を紛らす。
「お手をどうぞ、王様」
「これはこれは光栄です…お姫様」
「っ…ぇえ!?ちょぉっ…!?」
私の手を握ってそのまま宙に投げるように私をお姫様抱っこしてステップを踏むように学校へ向かう。
「お、降ろして下さい!!こんなの公共の場で…!!」
「だって、おまえは俺のお姫様だし!さ、学校行くぞー!」
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かきのたね(プロフ) - ソーダさん» ありがとうございます!!!少しずつではありますが更新頑張っていきます!! (2017年11月3日 23時) (レス) id: 927894499b (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - 凄く面白い!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2017年11月1日 21時) (レス) id: 71503843a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かきのたね | 作成日時:2017年10月31日 22時