°90° ページ41
骨を震わすような音が鎮まり、耳に蹄の音がもどる
「…お前らの仕事はなんだ?その時々の感情に身を任せるだけか?
そうじゃなかったはずだ…
この班の使命はそこのクソガキにキズ一つ付けないよう尽くすことだ。命の限り」
辺りがシンと静まりかえる
「俺達はこのまま馬で駆ける。いいな?」
間髪入れずにペトラさんが了解です!と返した
眉根を寄せ、目の下が力んでいる。唇はかすかに震えていた。なんと悲痛な顔だろう
オルオさんは下唇を噛みしめ目を細めている
先輩たちだって分かっているはずだ。戦うのが正義だ。正しいことだ。
それなのに、なぜ―
分からないことだらけだ。追いつかれるのは時間の問題だ
「駆けるって…一体どこまで…!?」
勝算なんて全く見えない
視界に映るそれにまた人が飛び込んできた
「増援です!早く!!援護しなければまたやられる!」
「エレン!!前を向け!」
グンタさんが叫ぶ。
「歩調を乱すな!!最高速度を保て!」
今度は斜め後ろのエルドさんだ
まるで問題から目を逸させるかのように簡単で短い言葉が飛んでくる
いや、逸させる気だ
「リヴァイ班がやらなくて誰があいつを止められるんですか!!!」
宙を待っていた1人が木に叩きつけられ、血反吐を吐いた
心臓がギリギリと締め付けられる。息が苦しい
「また死んだ。助けられたかもしれないのに!」
声に出さずにはいられない
頑なに前を向き続ける先輩方の顔は土気色だ。分かっているくせに。助けないといけないと分かっているくせに!
1人必死に孤独に戦っている人が目に映る。
…いやだ。無理だ。耐えられない。
尋常じゃない嫌悪と重圧で喉元に酸っぱいものがせり上がってきた
いや…1人でだって戦えるじゃないか
口元へ手を運ぶ
自分で戦えばいい
オレにはできる
胸の締め付けがすこし緩んだ。肺に空気がなだれ込む
オレは大きく息を吸った。
頭が冴え渡っている
「エレン!?何をしているの!!、それが許されるのはあなたの命が危うくなったときだけ!
私たちと約束したでしょ!?」
悲痛で必死な声が横から割り込んできた
ペトラさんの顔は物悲しげだ
それでも、オレは…
「エレン」
「お前は間違っていない。やりたきゃやれ」
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すず(プロフ) - ゆっきーさん» コメントありがとうございます!終わっちゃうんです…私も寂しいですが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです! (2020年3月5日 19時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - え、終わっちゃうんですか、、、寂しい(;ω;)最後まで頑張ってください!! (2020年3月4日 22時) (レス) id: 6a0acf7ad8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます!夢主はかなりズレた性格なので書くのがなかなか難しくて‥笑 そう言っていただけると嬉しいです! (2018年8月8日 23時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - この小説、大好きです!特に夢主ちゃんのマイペースな性格が可愛くて、、、応援しています!頑張ってください (2018年8月8日 18時) (レス) id: 3f807c065c (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうー!!嬉しすぎる( ;∀;)忙しくて沙羅ちゃんの小説も読めてない‥‥テスト終わったら一気読みだな!お互いに頑張ろう!! (2017年9月14日 19時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2017年8月24日 16時