°79° ページ30
オレの恐怖心を他所に時間は刻々と過ぎてゆき、気がついたら壁外調査まであと4日となっていた
相変わらずオレの扱いは乱暴なもので、硬いベッドのお陰で今日も身体の節々が痛い
この部屋を割り当てられたから、オレの1日は体をほぐすところから始まるようになった
ようやく身体の痛みがなくなって、顔を洗い服を着替える
後頭部についた寝癖を適当に直そうとしていたら、カツカツと足音が響いてドアノブが回った
顔を覗かせたのは兵長で、オレは髪を撫で付けていた右手を下ろして慌てて敬礼をした
兵長はいい、と片手を振って、そのままベッドに腰掛ける
敬礼は直したものの、さっきのように寝癖を直しながら欠伸をするほど死に急ごうとは思わない
背筋をピンと伸ばしたまま兵長を見つめると、不機嫌そうに閉じられた口がおもむろに開いた
「名前は忘れたが、お前の同期に女がいるだろう」
女。
首を傾げながら頷き、曖昧な笑みを浮かべる
結構いますけど
「前の審議にも来てた、黒髪の表情筋の死んでるやつだ」
残念ながらその条件はミカサにもAにも当てはまります、と心の中でツッコミを入れながらもなんとなくそわそわしてしまう
「あいつを今日ここに呼んだ。会いたいなら時間を作るが、どうしたい」
思わぬ展開に顔がほころぶ
ミカサでもAでも会えたら嬉しい
「会いたいです!」
思わず前のめりになってしまったようで、兵長が少し顔をのけぞられた
潔癖症は恐ろしい
「そうか、なら適当に時間を作ってやる」
「ありがとうございます!」
そういえば、2人のどちらにせよ何の用なんだろう
聞いてみようと思って兵長の顔に視点を合わせると、珍しく口元が緩んでいた
オレの視線に気付いたのか、兵長が顔を上げ
「お前も15か」
とまるで親であるかのような台詞を呟いた
「どういうことです?」
尋ねてみても、大したことじゃねぇよとはぐらかされ、そのまま行ってしまった
結局ミカサかAへの用事も分からないままで、謎が増えてしまった
仕方なくオレはAだったときのために後頭部の寝癖を丁寧に直すことにした
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すず(プロフ) - ゆっきーさん» コメントありがとうございます!終わっちゃうんです…私も寂しいですが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです! (2020年3月5日 19時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - え、終わっちゃうんですか、、、寂しい(;ω;)最後まで頑張ってください!! (2020年3月4日 22時) (レス) id: 6a0acf7ad8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます!夢主はかなりズレた性格なので書くのがなかなか難しくて‥笑 そう言っていただけると嬉しいです! (2018年8月8日 23時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - この小説、大好きです!特に夢主ちゃんのマイペースな性格が可愛くて、、、応援しています!頑張ってください (2018年8月8日 18時) (レス) id: 3f807c065c (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうー!!嬉しすぎる( ;∀;)忙しくて沙羅ちゃんの小説も読めてない‥‥テスト終わったら一気読みだな!お互いに頑張ろう!! (2017年9月14日 19時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2017年8月24日 16時