吉原1の夜兎は神威の姉弟子でした (ページ15)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:64,577 hit

十四撃ページ15

Aは晴太の腕を引っ張って追ってから逃げるが晴太は走りっぱなしだったためか

走るスピードが落ちてきている

女「待てー！！」

百華はそこまで迫っていた

女「あと・・・少し」

手が晴太の着物に触れそうになったとき

ズバッ

後ろで嫌な音と臭いがした

Aと晴太は思わず立ち止まって後ろをみる

今まで追いかけて来ていた女達は皆廊下に倒れている

おびただしい量の血を流して

その中心に立っている男はニコニコと笑っていた

貴「神威」

神「あれ？こんなところでなにしてるの？ひょっとしてお母さんでも探しているのかい？」

神威はニコニコしながら晴太に話しかるが

晴太はそれどころではなく怯えて震えている

神「あり？どうしたの？寒いの？大丈夫？」

貴「神威、どうして貴方がこんなところにいるの」

Aは晴太を後ろに回して戦闘態勢をとる

神「そうだなぁ」

神威が話そうとした時

後ろから前からと百華が襲ってきた

Aは晴太を抱き上げ、そのまま百華に足技をだそうとしたが

急に浮遊感が訪れる

お腹の部分にも圧迫感がある

神「姉さん、さっきの質問の答えだけど」

頭上から声が聞こえてくる

見上げれば神威が腕一本で天井をつかんでいる

神「会いたくなった、あの夜王鳳仙を腑抜けにするまでたらしこんだ女に
会いたくなった吉原中の女達から太陽とよばれすがられる女に」

神威は天井を掴んでいた手を離した

そして

目にも止まらない早さで女達を倒した

敵とはいえ、長年一緒に暮らしてきた人達を殺されAは頭が真っ白になる

神「さあ、会いに行こうか吉原でもっとも美しく強い女に」

そう言って神威が歩き始めたときだ

風をきる何かが神威の顔面近くまで迫っていた

神威は反射神経でそれを受け止めるが思ったより強く後ろへ後退してしまった

Aが神威を殴ったのだった

貴「・・・さない」

Aが何か言ったようだが小さくて聞き取れない

神「姉さん？」

Aは顔を上げる

綺麗な瞳からは一粒の涙が流れている

貴「許さない！！」