△ ファーストチッス ページ7
「……俺に化粧して楽しい?Aちゃん」
「めっちゃ楽しい」
前髪をリボンで結ばれた善逸は、ちょっと不機嫌そうに首をかしげた。クソ。何しても可愛いな。すき。
「たとえば鬼殺隊に入って、マッチョでド派手な元忍が遊郭潜入捜査に善逸をまきこむ可能性あるじゃん」
「あるかな?」
「あるある」
宇随さんてば器用なはずなのに、うちの善くんをあんなんにしやがって。いやアレはアレでかわいいけど。わたしが本気の女装をさせてやる。
「Aちゃん、もういい?」
「待って、紅を直させて」
「またぁ?くすぐったいよ」
「黙って」
「はい」
善逸が目を閉じてキス顔するから、思わずその可愛いくちびるに、わたしのそれを重ねちゃった。ちゅ。ぱちんと善逸の目が開いた。月をふたつ浮かべたような甘い色の瞳がふるふると震えた。は、とくちびるが離れると善逸は後ろにひっくり返った。
「……Aちゃんッ……!?」
「ごめん。可愛くてつい。嫌だった?」
「ま、まさか……ただ……心の準備が……」
「じゃあ嬉しかった?」
「う、嬉しかったよ」
「よかった。もっかいしていい?」
「エッ」
「善くん、だいすき」
善逸はもうどうしようもないくらい真っ赤になって目をつむった。わたしは筆を放り投げて、くちびるだけじゃなくて、顔ぜんぶにキスを降らせた。お尻がふたつに別れた眉毛とか、ちいさな鼻とか、まあるいおでことか、可愛いと思うところ全部。
「ふふ、どこが口なのかわかんなくなっちゃったね」
もともとは善逸のくちびるに付いていた紅が、わたしのくちびるによって顔中に散りばめられた。ひととおり吸われた善逸は茹でダコ状態で畳に倒れている。今度は善くんの番だよって目をつむると、数分くらい経ってからやっと触れるだけのキスをされた。「これで勘弁してください」って首まで赤くしてるのが可愛いから許してあげた。
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あき - うわぁ、HUNTERHUNTERも書いてくれるなんて……🥹🥹 (2023年1月30日 14時) (レス) @page50 id: 099b645bba (このIDを非表示/違反報告)
まっひぃ - 善逸のそういう所好きだぁー!😁かわええ (2021年11月11日 15時) (レス) @page48 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみちゃんDX(プロフ) - 今まで読んだ中で一番好き! (2021年10月29日 12時) (レス) id: 0e9cb43b28 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ割り人形 - わあわあ好きだあ途中どうなったのってなったけどちゃんとハピエンで良かったああうわん嬉しすぎて嬉し涙が…というかヒロ◯カの小説も書いていらっしゃるなんて!今すぐ読んできます!あ、この作品めっちゃ良かったです!好きです!(唐突の告白 (2021年9月12日 7時) (レス) id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 sud .(プロフ) - とっても素敵でした。 (2021年9月9日 15時) (レス) id: a463316156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有希 | 作成日時:2019年10月4日 22時