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△ あなたがいるから、それだけで ページ44









 不思議な夢から覚ましたわたしは、こちらをじっと見つめるカナヲちゃんと、わたしの隣でぐーすか眠る善逸とを交互に見て、また眠りにつくことにした。やべえ。蝶屋敷の人間に見られた。そのまま狸寝入りしようとしたら「おはよう」と言われてしまった。へへ、へへへ、と愛想笑いしながら体を起こすわたし。服を着てから寝たのは懸命な判断だった、我ながら。「……このこと、しのぶさんに言う?」って恐る恐る訊くと、コイントスの結果、首を横に振ってくれた。ふう命拾いしたぜ。それからしばらくして結局バレるのは、また別の話。





 そして翌日、蝶屋敷から追い出されて……いやいや、無事退院したわたしは甘味処に寄った。善逸は急にたずねてくる。





「……あのとき、じいちゃんの屋敷に逃げこんだの、後悔してる?」

「え?」

「ほらAちゃんは鬼に追われてて、うちに逃げてきたじゃん?もし他のひとに助けてもらってたら、Aちゃんは鬼殺隊に入ることなんてなくて……鬼と関わらなくてよかったかもしれない」

「……まあ、ね。
言われてみれば確かに」




 善逸のいない生活を想像してみる。もちろんそこでじいちゃんの「サボるな!」っていう怒鳴り声はとんでこない。好きなことを好きなだけしておだやかに暮らせてたかもね。それはちょっと、寂しい。






「そりゃ鬼狩りになっていいことないし、むしろ後悔ばっかりだよ。最終選別のときは笑っちゃうくらい全身が震えてたし、次の任務で死ぬかもしれないと思うと眠れない夜もある。こんな毎日だけど、善逸がいる。それだけで世界がまぶしいの」






 善逸は耳を赤らめた。きみが自分を嫌いになりそうになったら、そのたびに、わたしが励ましてあげる。きみがきみの嫌なところを3つ見つけたなら、わたしが10個いいところを教えてあげる。わたしがきみを大好きな理由を言ってあげる。

△ 雷が鳴り響かなくたって→←△ きみはやさしさに弱かった



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あき - うわぁ、HUNTERHUNTERも書いてくれるなんて……🥹🥹 (2023年1月30日 14時) (レス) @page50 id: 099b645bba (このIDを非表示/違反報告)
まっひぃ - 善逸のそういう所好きだぁー!😁かわええ (2021年11月11日 15時) (レス) @page48 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみちゃんDX(プロフ) - 今まで読んだ中で一番好き! (2021年10月29日 12時) (レス) id: 0e9cb43b28 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ割り人形 - わあわあ好きだあ途中どうなったのってなったけどちゃんとハピエンで良かったああうわん嬉しすぎて嬉し涙が…というかヒロ◯カの小説も書いていらっしゃるなんて!今すぐ読んできます!あ、この作品めっちゃ良かったです!好きです!(唐突の告白 (2021年9月12日 7時) (レス) id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 sud .(プロフ) - とっても素敵でした。 (2021年9月9日 15時) (レス) id: a463316156 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有希 | 作成日時:2019年10月4日 22時

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