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出会い 友達 ページ3

おうじさまが迎えに来てから、同級生の男子のいじめをなんとも思わなくなった。
男子たちも面白みが減ったのか、そのうちいじめも自然消滅した。ただ、いじめがなくなっても浮いてるのには変わりなく、私は一年生のころクラスの友達がいなかった。
けど私は一人じゃなかった。私の胸には、冠のバッジがあったからだ。このバッジがあると、すぐそばにおうじさまがいるような気がして笑顔が生まれた。

三年生になって、初めての友達ができた。静稀となのる彼女は、新しいクラスの最初の席で隣同士だった。こんな私にも、

「これからよろしくね。愛華ちゃん」

と優しく声をかけてくれた。いい子だった。

「私にはおうじさまがいるの。大きくなったら一緒に結婚するんだ。…けど、みんなはそれをおかしいっていうの。あなたもそうじゃない?」

と聞く私にも、

「王子様なんてすごく素敵!結婚式は私もつれてってね。」

と笑顔で答えてくれた。それから、学校では一緒に過ごすようになった。放課後に、おうじさまを見せてあげたりもした。おうじさまが静稀ちゃんに一目ぼれしないかとても不安だったけれど、おうじさまは私を見てくれたし、静稀ちゃんもかっこいいねと言ってくれた。
そのあと、静稀ちゃんは私に秘密を教えてくれた。体が弱いらしい。病気も患ってるとか。
けど私は心配じゃなかった。静稀ちゃんはかわいい一輪の華、神様も摘まずに育ててくれると私はすぐ分かったから。ちなみに心臓が悪いらしい。詳しく教えられたけど、私にはわからなかった。


五年生になって、転校生がやってきた。
應治という名前で、クラスの女子はイケメンだと騒いでいた。
けど、私はいまいちよくわからなかった。おうじさまのほうが、何倍もカッコよかったから。
ただ、應治って名前は好きだった。響きが おうじ だったから。きっと彼はこのクラスの誰かを迎えに来たんだな。と思った。

「前後の席だね。よろしく。」

声をかけられた。そう、應治くんは私の前の席だった。明るくて優しそうな子だったから、私もよろしく、と言った。

「まさかお隣さんだったとはね。」

時にはものすごい偶然が起こることもある。まさかの、應治君とはマンションの隣同士だった。そこから、應治くんとは仲良くなった。静稀ちゃん、私、應治くんでどこか行ったりもした。お母さんに、

「應治くんが愛華は好きだったりしない?」

と聞かれた。けどそんなことはなかった。
私はおうじさま一筋だったから。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 対物性愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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Riruri - シャーロックさん» なるほど、小公女セーラですか…その発想こそなかったですが、言われてみたらそんな気もしてきます。憧れの御方にそう言って貰えるだけでとてつもなく光栄です。オリ小説をもっと増やしてく予定ですので、もし公開した暁には読んでくださると嬉しいです🤭 (5月29日 22時) (レス) id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - Riruriさん» 愛華ちゃんは私の大好きな「小公女セーラ」に似ています。いつも夢を信じている前向きな女の子は内側から輝くクリスタルのようで魅力的です。Riruriさんの他作品も読みたいのですが、運悪く元ネタを知らないんですよ💦創作についてもっと語り合いたいのに〜 (5月27日 15時) (レス) id: 64edf4e902 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - シャーロックさん» ワワワまさか読んでくださるとは……!!本当にシャーロックさんの文章からお話まで全てが尊敬と憧れの塊なのでそう言っていただけて感激感謝です😫💕愛華ちゃんはとにかく“プリンセス”の精神で書いてます。そこを感じ取って下さって嬉しいです!! (5月27日 14時) (レス) id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - こんばんは!素敵な内容で一気読みしてしまいました。愛華ちゃんの純粋さはRiruriさんの心の美しさが表れているんでしょうね……。王子チャーミーさんが何故喋れるようになったのか、凄く気になっています。更新楽しみにしていますね! (5月25日 21時) (レス) id: 37fed7f1d4 (このIDを非表示/違反報告)
Riruri - 襲さん» ありがとうございます〜!何に使うかまだ決めかねていますが…絶対使います! (2023年1月27日 16時) (レス) id: 3a997f42cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Riruri | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rirurihmp04/  
作成日時:2022年3月9日 20時

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