ラブラドール ページ8
『仁坂A』
『私がお金について口うるさく言ったからでしょうか。』
「そこは別に。あんたなら文句ぐらい言うって思ってましたし、怒ってないっすよ。」
『それなら……食べるの遅かった、とか？』
「オレ、せっかちでもないでしょ？」
『あぁ……えぇ？ なら、どうでしょう？』
「ははっ、オレに聞かないでくださいよ。」
「あー、うん。まぁもういっか。」と漣くんは息をついて、私の腕を取った。
お店を出て行くと、急に振り返る。
「嫌でした。」
『は、はい。……具体的に何が？』
「オレ以外にあんな笑ってんの。それに次会う約束までしちゃって。」
『……』
言葉が出ない。
嫉妬ですか、嫉妬ですよね。ジュンくん以外にしっぽ振ってたのが嫌だったんですね？
何だよキミ、やっぱS属性なんですね。普段は苦労人だからわかりづらいけど、やっぱりそういうことなんですね？
可愛いです、おもちゃ取られた感じなんでしょう？
「……オレ以外のやつ、好きになんないで。」
『……………………はい？』
「オレにだけ可愛いって、格好いいって言ってれば良いじゃないですか。椎名先輩のほうが良いんすか、」
『あ、えっと……え、』
え、あっ、そっち!?
構ってもらえないのが嫌なんですか、キミがおもちゃのほう!?
いや、どっちでも尊いんだけども、いやぁ……でもそっか。
振り回されるのが好きなんだ、まあそうじゃないと巴さんとやってけないよなぁ……うわ、そっか。
「あの、」
『あっ、はい!?』
「オレより椎名先輩のが良いのかって、」
『ジュンくんが最推しに決まってます！』
「……アイドルとしてのオレしか好きじゃないんすか？」
『んっ!?』
「いや、気づいてますよ。アイドルとしてのオレは『ジュンくん』って呼ぶでしょ。」
『え"っ』
「わかりやすいんすよ、Aさん。まあ、それも仕事とか立場上しょうがねぇことだとも思いますけどね？」
ESビルのエレベーター待ち。
私と漣くんしかいないそこには、エントランスの喧騒が静かにこだましてくる。
ここのエレベーターってこんなに遅かったっけ、たしかつい最近点検されて早くなってた気がするんだけども。
つぅ、と肌を滑る私の汗を指で拭う暇もない。
緊張感がすごすぎてまず動けないです、七種ぼっちゃまたすけて。
「絶対、『オレ』のことも好きにさせます。」
『……さ、漣く』
「ジュンで良いですよ？」
『ひえ……』
アイドルの本気は怖いです。
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生しょうが(プロフ) - 錦さん» うわぁ、またまたそんな萎えるミスを……ご指摘ありがとうございます……！ (1月6日 17時) (
レス) id: 3da0e90f37 (このIDを非表示/違反報告)
錦(プロフ) - ページ22「バセンジー」に名前変換ミスらしき単語が…((ｺｿｯ (1月6日 13時) (レス) @page22 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - にとろさん» 小さな奇跡が……！解釈一致すごい嬉しいです！こちらこそ楽しんでいただきありがとうございました！ (10月24日 23時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にとろ - 初コメ失礼します‼夢主ちゃんの誕生日と私の誕生日が同じで、ついマジかよってなりました。ジュンくん解釈一致で堪らなく好きです！最高な作品ありがとうございます😊 (10月13日 23時) (レス) @page2 id: 5c45186ae9 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 綾さん» うわぁぁ自分も大好きです！！！読んでいただけてめちゃくちゃ嬉しいです〜！きゅんきゅんできるような小説作れて良かったです……笑 (8月15日 16時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが | 作成日時：2023年4月4日 0時
